PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
犬を飼っていると、もう一頭増えてもいいかな、愛犬に友達を作ってあげたいな、と思う事もあるでしょう。小型犬であれば2~3頭連れて歩いている姿をよく目にしたり、ドッグランで楽しそうに遊ぶ姿を見ると、我が家の愛犬にも…と思うものです。
でも、よかれと思って多頭飼いを始めたものの、相性が悪い、喧嘩ばかりする、無駄吠えがひどくなってしまったというお悩みも耳にします。失敗せずに、多頭飼いを始めるには、犬種選びももちろんですが、そのタイミングもとても重要です。
意外に思われる方もいるでしょうが、多頭飼いを始めるには、生後半年未満の幼犬期がおすすめです。この時期、甘噛みがひどくて…と、悩む飼い主さんがとても多い時期でもあります。子犬の甘噛みがひどく、なかなか改善されない理由には、子犬自身が噛みつく時の力加減を、理解できていない事が原因です。
しかし、月齢の近い子犬同士や、成犬と共に暮らす事で、自分の甘噛みに対して、相手がどのような反応をするのか、相手から逆に噛みつかれたら、どの程度の痛みがあるのか、どの程度の強さの噛み方ならば許されるのかを理解できます。これは、人間ではなかなか上手に伝える事ができません。
この時期は、一見本気で喧嘩をしているように見えても、すぐに仲直りができ、遊びを通じて様々な経験ができます。月齢が近い事で、トイレのしつけや、食事のルールも同時進行で教える事ができるのでとてもスムーズですし、ドッグフードの与え方、ふやかして与える手間なども、同じ時期なので飼い主さんの負担も半減します。
将来的に、多頭飼いを考えているのであれば、幼犬期からのスタートという方法がある事も、覚えておくとよいでしょう。ただし、この時期からの多頭飼いは、相性やしつけの面でのメリットが多々ある反面、デメリットもあります。
それは、犬同士の精神的な密着度が、非常に高くなってしまうという事です。毎日、共に過ごし、成長する事で、まるで一心同体という状態になってしまいます。どんなに、他の犬との交流を持たせようとしても、他犬を受け入れない、他の犬と交流を持たない、2頭で一斉に無駄吠えや攻撃に出るなどの行動も見られます。
中には、散歩に出る時は、お互いに体を密着させて歩くという事も、よくあるパターンです。この場合、将来、一方が入院をしたり、先に逝ってしまった場合に、もう一方の精神的な落ち込みが激しくなりがちなので、適度な距離感、関係性を保てるように工夫が必要です。
先住犬がメス犬の場合には、生後1年を過ぎ、身体の成長が止まり、精神的にも落ち着きを見せ始める時期がおすすめです。この時期に、子犬を迎え入れる事でメス特有の母性本能から、スムーズに同居がスタートできるでしょう。
もちろん、メス犬には気難しく、繊細な面もあるので、子犬がしつこくじゃれつく場合や、強く甘噛みをしてしまう場合には、教育的指導が入りますが、それも共に暮らすためのルールを、お互いが作っているのだと見守ってあげましょう。ただし、これは将来繁殖を考えていない事が前提です。
将来、繁殖を考えている場合には、先住犬のメスが成犬になる前のタイミングで、多頭飼いを始めましょう。性別にかかわらず、先住犬の方が、より強い姿勢に出るものですから、お互いの順位がはっきりしてしまう前に、共同生活を始めた方がスムーズだからです。
また、先住犬のメスがすでに、繁殖可能な年齢を過ぎている場合、性格によっては、あまり多頭飼いはおすすめできないケースがあります。繁殖可能な時期を過ぎているという事は、つまり子育ても面倒に感じている時期でもあります。他の犬との関わりを好まない犬であれば、元気一杯な子犬がそばに居ても、じゃれあって遊ぶ事や、世話をすることもなく、強い姿勢で追い払う事の方が多くなるでしょう。完全に生活空間を分ける事が出来る場合を除き、この時期からのスタートはおすすめできません。
先住犬がオス犬の場合、多頭飼いを始める場合には、生後一年未満の幼犬期、もしくは、シニア期がおすすめです。
幼犬期の場合、お互いにじゃれあい、遊ぶ事で力関係を自然に学び、生活空間の使い分けも十分、自分たちで判断し、住み分けるようになってゆきます。飼い主が介入せずとも、お互いに居心地のよい生活を、作りあげてくれるものです。
しかし、生後一年を過ぎ、成犬期になると、それまで自分一人で独占していた住まいに、あらたな犬が入る事を拒絶する場合があります。たとえ相手が小さな子犬であっても、過剰なまでに強硬な姿勢に出る場合があるのです。
場合によっては、相手が委縮するまでに追い詰めてしまう場合や、無駄吠えなどの行動をすることで、自分の力を誇示しようともします。ですから、成犬期のスタートは非常にリスクが高くなります。
シニアになると、飼い主の側も将来を考え、もう一頭、犬を飼いたいと考える事が増えるようです。
シニアになってから、新しい犬を迎え入れる場合には、先住犬の生活リズムを極力崩さない、生活空間をそれまでのままに保つ工夫をしてあげましょう。どんなに飼い主、が先住犬を優先に接しているつもりでも、犬同士ではシニアと若い後輩犬との間には、力関係がきづかれてしまうものです。シニア犬が居心地が悪いと思わない程度に、気にかけてあげましょう。
この時期になると、シニア犬の方も、縄張り意識や闘争本能も薄れているので、新しい家族をスムーズに迎え入れられるようになるでしょう。
飼い主がよかれてと思って始める多頭飼いも、犬にとっては、不意のタイミングで起こる一大イベントです。お互いの距離が縮まるまで、焦らず、無理強いをせずに、そっと見守ってあげましょう。
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