PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

犬種別ドッグフードって本当に必要なの?

 

近年、健康への関心が高まりを見せており、ドッグフード業界でもその流れを受けて、様々な機能性ドッグフードが登場しています。その中のひとつとして、犬種別ドッグフードというものが開発され注目されています。

 

そもそも、犬種別ドッグフード、全犬種向けドッグフードとはどのようなものなのでしょうか。

 

 

ドッグフード界のオールラウンダー「総合栄養食」

全犬種向けのドッグフードとは、一般的に売られているドッグフードのことで、特に犬種別と明記していない、いわゆるスタンダードなドッグフードのことです。この全犬種向けのドッグフードの中でも、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなど犬に必要な栄養素がすべて含まれたものが「総合栄養食」と呼ばれます。

 

ここでポイントとなるのは、総合栄養食は、全犬種向けに「あらゆる種類の犬にとって一日に必要な栄養素が十分に摂れるように考えてつくられている」ということです。

 

一方で、犬種別ドッグフードの中から何種類か例を挙げてみると、例えば、ダックスフンド用のものは、胴長の体型からくる腰への負担を軽くするために体型維持に配慮し、低カロリーでかつ食物繊維も多め配合されているとの記載がみられます。また、 チワワ用のものは、華奢な骨格と大きな瞳をもつ特徴を考慮し、骨の強化や瞳の健康と涙やけに効果のある栄養素を多く含むように作られています。

 

 

犬種別ドッグフードは犬にとって必要なもの?

結論から言うと、全犬種向け総合栄養食のドッグフードをしっかり食べさせていれば、わざわざ犬種別のドッグフードを与える必要はありません。

 

実績のあるメーカーであれば、犬に必要な栄養素について熟知しているはずです。もし、犬種ごとに必要な栄養素が大きく異なるのであれば、犬種別のドッグフードを作って対応していることでしょう。それでもあえて犬種別のドッグフードではなく、全犬種向けのドッグフードを作り続けているということは、裏を返すとそれが最適なドッグフードの形だと判断しているということに他ならないからです。

 

では、なぜあえて犬種別ドッグフードが開発・販売されているのでしょうか。そこには、どうやらメーカー側の切実な開発事情があるのです。

 

 

犬種別ドッグフードは犬のためのものではない!?

犬種別ドッグフードの販売元を見てみると、あまり名前を聞いたことのない、実績のないメーカーであることが多いようです。その理由としては、そもそも犬種別ドッグフードというものが、新興あるいは中小メーカーの販売戦略によって誕生したものであるということがあげられます。

 

犬に必要な栄養素には、犬種によって大きな差はありません。犬の健康という面からいえば、犬種別ドッグフードなどは特に必要ないともいえます。

 

しかし、全犬種用のドッグフード市場は、すでに名の通った大手メーカーがシェアを獲得しており、これから新規参入するのは至難のわざです。そこで、大手と競合しない新たな市場開拓に向けて、犬種別というブランドを打ち出したのです。つまり、犬種別ドッグフードとは、犬の健康を考えてというよりは、むしろ企業の販売戦略によって生み出された側面が大きいと言えます。

 

一見すると、より犬の個性に着目した犬種別ドッグフードの方が良さそうな気がしてしまいます。確かに、犬種別のドッグフードには、その犬が特に患いやすい病気の予防につながるような健康成分が含まれている場合もあり、一定の効果は期待できるかもしれません。しかし、そもそも犬にとって必要な栄養素というのは、犬種によって大きく異なるものではなく、全犬種向けのドッグフードにも犬にとって必要な栄養素は十分含まれています。

 

また、犬種別ドッグフードに関しては、少々危惧される点もあります。それは、犬ごとの健康成分に特化するあまり、他の栄養素が十分摂れないのではないのではないかということです。確かに、グルコサミンやコンドロイチンは関節のケアには有用かもしれませんし、食物繊維も満腹感を味わうという意味ではよいでしょう。しかし、犬に必要な栄養素は、ほかにも多岐に渡ります。良いドッグフードとは、それらをバランスよく配合し、かつ消化吸収もよいものだと考えます。

 

 

様々な大きさの犬

体の大きさによってドッグフードの種類は変えた方がいい?

例えば、大型犬と小型犬を一緒に飼っているという場合、体格の違う犬ごとにドッグフードの種類は変えるべきでしょうか。

 

もし、大型犬と小型犬とで必要な栄養素に違いがあるとしたら、与えるフードの種類も変えた方がよいということになるでしょう。しかし、犬の場合は、犬種が異なっても必要とする栄養素に大きな違いはありません。同じドッグフードであっても、体格に合わせて食事量を調整することで対応することが可能です。

 

ただし、大型犬用のドッグフードと小型犬用のドッグフードでは、ドッグフードの粒の大きさに違いがある場合があります。そのため、大型犬用に作られた粒の大きなドッグフードを小型犬にそのまま与えてしまうと、食べ辛かったり、大きすぎて喉に詰まらせてしまう可能性もあります。そのため、与える際には、細かく砕いたりお湯でふやかしたりして食べやすくする工夫が必要になります。

 

また、一般的に小型犬の方が大型犬よりカロリー消費が激しいと言われており、小型犬用のドッグフードは比較的高カロリーに作られていることが多いといいます。小型犬用のドッグフードを大型犬に与えることでカロリーオーバーになってしまうということは考えられます(栄養的には問題ないようですが)。

小型犬用ドッグフードを大型犬に与えてもいい? 記事はこちら

 

 

もし犬種ごとにドッグフードを作るとしたら・・・

ジャパンケンネルクラブによると、現在登録されている犬の種類はおよそ190頭にものぼるというデータもあります。また、未登録の犬種を含めると、世界には700~800種類もの犬が存在すると言われています。もし、仮にこの犬種それぞれに犬種別のドッグフードが必要だとしたら、メーカーは大変な手間暇をかけてそれらを作らなくてはならないでしょう。

 

確かに、現在人気の犬種だけを見ても、骨格や毛並み、体の大きさなど同じ犬でもそれぞれ大きな特徴と違いを持っていることが分かります。また、それぞれにたどってきた進化の歴史や生育環境なども異なるため、必要とする栄養素にも異なる面があるのは当然のことです。

 

ただ、犬種別のドッグフードが作られている犬種というのは、見た目や体形に特徴のあるごく一部の犬種に限られます。大多数の犬にとっては、犬種別ドッグフード自体作られていないというのが現状なのです。

 

おそらく、今後も大多数の犬種にとって、犬種別ドッグフードが作られることはないでしょう。それは、何より「開発する必要がないから」です。

 

健康維持のための基本となる栄養素は全犬種用のドッグフードで十分にとることができます。もし、健康上の理由で、そのほかにどうしても必要な栄養素がある場合には、獣医師さんと相談の上、別途お薬やサプリメントを使うことをお勧めします。

 

 

おわりに

結論としては、まずは、信頼できるメーカーの全犬種用ドッグフードお勧めします。また、商品裏に記載された成分表示のチェックも忘れずに行いましょう。どの種類を選ぶかはもちろん大事ですが、利用するドッグフードの安全性を一つ一つチェックすることもまた大切なことだからです。

 

 

 

 

 

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