PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
マウンティングとは、本来、「犬がほかの犬の腰に抱きつき、自分の腰をカクカクと押し付ける行動」のことをいいます。一見、性的な行為にも思えますが、実は、より多様な意味合いがあることが分かっており、オス犬だけでなく、しばしばメス犬にもみられる行動のひとつです。
犬がマウンティングをする理由として、まず、相手に対して自分の方が立場が上だと誇示するためだということがあげられます。そのような行動は、すでに生後間もない子犬の時期から見られ、母親の元で兄妹同士、上になったり下になったりとじゃれ合う中でさえ、互いに相手と自分との力関係を確認し合っています。
一方で、同じマウンティング行動でも、ただ単に相手に対して「もっと遊んでよ、相手をしてよ」とおねだりしているだけという場合もあります。特に飼い主さんなどが忙しくてなかなか、かまってあげられない時など、このような行動をとる犬もいます。
これはオス犬に限定されますが、発情したメス犬(ヒート中のメス犬)が近くにいると、その犬に対し本能的にマウンティングすることがあります。そのまま放っておくと、交尾してしまい、妊娠につながる可能性もあるため、すぐに注意してやめさせるようにしましょう。
犬は親しい家族の間でも、それぞれの力関係をはっきりさせたがる習性をもっています。そのため、家族に対してマウンティングをする理由の一つとして、『家族の中での自分の地位を確かめようとしている』ことが考えられます。
ここで気をつけたいのが、犬がただ単にじゃれて遊んでいるのだと勘違いしてしまうことです。もし、マウンティングの意味に気づかずにそれを許してしまうと、犬は「相手が自分に対して服従した」と勘違いしてしまいます。
愛犬と健全な信頼関係を築くためには、やはり飼い主さんが犬にとっての主人でなければなりません。一度、その主従関係が崩れてしまうと、犬としても自分が付き従う相手が誰かわからくなってしまい、不安な気持ちになってしまいます。それは、決してお互いにとってハッピーなことではありません。
犬が家族以外の対象に向けてマウンティングをした場合はどう対処すればよいのでしょうか。たとえば、犬が気に入っているぬいぐるみなどを相手に、マウンティングをするといったケースです。
一見すると、対象が人でないので放っておいても良さそうに思えますが、実は、この″モノ″に対するマウンティングも、そのまま放置しておくとあまりいい結果を生まないことがあります。
なぜかというと、マウンティング行動そのものに、犬の支配欲を高める働きがあるためです。たとえマウンティング自体が家族に向けられたものでなくとも、やがてはそれが家族へのわがままな態度となって表れてくる可能性があります。
対象が何であれ、マウンティングに気づいたら、すぐに「それをしてはダメ」というメッセージをハッキリ示すことが大切です。