PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
オス犬がおしっこをするとき、それには排泄以外に様々な意味や犬の気持ちが含まれています。代表的なものが「マーキング」です。マーキングには、メス犬に対する自己アピールとライバルに対してテリトリーを主張する縄張り、という意味があります。メス犬に対しては、尿に含まれる男性ホルモンをメス犬に嗅いでもらうために、メス犬の鼻に近い嗅ぎやすい位置をねらってアピールをします。
ライバル犬に対しては、前にあるおしっこの位置よりも高い位置に、おしっこをかけて縄張りを主張します。高い位置におしっこをかけるのは、自分の方が身体が大きく強いんだ!とアピールするためです。そうすることで、あとから来たオス犬に自分の上におしっこをされ、消されないようにする、という意味も含まれています。
余談ですがメス犬に比べオス犬の尿の方が匂いがきつい傾向があります。それはマーキング時に匂いをより強く残すためです。もちろん個体差がありますが、いつも食べているドッグフードにより、便と同じく尿の匂いも変わります。あまりに匂いが気になる場合は良質な無添加ドッグフードに変える…というのも一つです。
オス犬のおしっこには、様々なプロフィールが含まれているので、高い位置におしっこをすることで、自分をより強く見せてくれるのです。オス犬が何回にもわけて様々な場所におしっこをするのは、人間に例えると、自己アピールの名刺を配っているようなものなのです。
ちなみに、動物行動学者がおこなった実験結果では、新しい場所に犬を連れて行った時には25回もマーキング行動をしていたのですが、7日目には3回と、回数が激減していました。いち早く自己アピールをし、縄張りを確立させたい気持ちの表れなのでしょう。
それにしてもあんなに何回もおっしこが出るものだ…と思いませんか? 犬の一日のおしっこ量の目安は、体重1kgあたり50mlと考えられています。マーキングの場合、尿意でおしっこをしている訳ではないので、マーキングをするという本能から、出なくても足を上げてポーズをとっている場合もあります。個体差があるのですが、縄張り意識の強い犬、自分を強いと認識している犬は、より高い位置にマーキングをするために、さかだちのような格好でしたり、なかにはジャンプをしてマーキングをする犬もいます。
オス犬のマーキングは、種の存続をはかるという本能によるものです。外敵の侵入を防ぎ、食料の確保、メスの獲得…。全て犬の先祖となるオオカミからきているのです。オオカミの群れのリーダーは、高々と足を上げておしっこをします。そして、他のオオカミたちは、しゃがんでおしっこをし、リーダーに服従をしていることをアピールします。オス犬の中でも、服従心の強い犬は、マーキング行動はあまり見られず、しゃがんでおしっこをします。
オス犬でも早い時期に去勢を行うとマーキングなどの行動は見られないと言われています。また、マーキングはオス犬だけでなくメス犬も同様に行います。特にヒートの時期に多くみられるようです。この様に犬が何度にも分けておしっこをする行動は特に病気でもなく、普通の症状で本能によるものです。何度にも分けておしっこをするからといって、トイレが近い!と慌てて獣医さんの元へ行く必要はありません。