PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

シニア犬のドッグフードにグルコサミンの添加は必要?

 

老犬のドッグフードにはグルコサミンやコンドロイチンを添加すべき?

高齢になり足腰の弱った愛犬の姿を目にする度に少しでも過ごしやすくなる方法はないかと考える事でしょう。今や人間でも様々なサプリメントが市販されるようになり、その効果のほどは定かではないものの、つい頼ってしまいたくなるものです。

 

サプリメントが、本当に栄養学上万能であるという事を証明するために、以前、海外でサプリメントだけを接取し生活を送るという挑戦をし、話題になったケースもありました。犬に関しても人間同様に様々なサプリメントが市販されています。中でも「グルコサミン」「コンドロイチン」配合の製品が売れ筋と言われる主力商品です。

 

ペットショップやペットの食に関する場面では、シニア期を迎えた愛犬に「グルコサミン」や「コンドロイチン」を与えた方がいいでしょうか?という質問をたびたび耳にします。でも、残念ながら、飼い主の期待に反してしまうのですが、老犬へ「グルコサミン」「コンドロイチン」「カルシウム」といったサプリメントを与える事は、期待している結果にはつながらないと言わざるを得ません。

 

それは、次の3つの理由からです。

 

 

理由1:消化吸収の仕組みを考えてみましょう

グルコサミンやコンドロイチンは、研究上は確かに関節痛や軟骨成分を補う効果があると証明されています。ですが、その理論には、あるからくりがある事をご存知でしょうか。それは、効果があるのは「グルコサミン」や「コンドロイチン」がその成分のまま骨や関節、軟骨まで届いた場合という意味です。

 

サプリメント状になったグルコサミンやコンドロイチンを食事にふりかけ、愛犬に食べさせた場合、実は消化吸収の段階で別の栄養素へ変換され、体内に吸収されていきます。つまり本来の形では骨や関節、軟骨へ届かないのです。

 

これでは、どんなに高価なサプリメントを与えても意味がないという事になってしまいます。犬の消化吸収の仕組みを知る事で簡単にとけてしまうトリックのようなものなのです。

 

 

理由2:犬本来の性質を考えてみましょう

本来動物というものは、「自分で歩く事」が出来なくなった時が、その命の終わりを迎える時です。自分で歩く事が出来るという事は、自分で食料を手に入れる事が出来る、食べる事が出来る、敵から逃げる事が出来るという事です。これらの行動が出来なくなった時、自らその終わりを感じとるのです。

 

では、ペットとして飼われている犬はどうでしょうか?

高齢になり歩くスピードが以前に比べゆっくりになった、立ち上がる時、足元がふらつくようになった、一日のうち寝ている時間が多くなった。これらのシニア期特有の様子が見られ始めると、大抵の家庭では以前に比べ散歩の時間を短縮し、快適に過ごせるように寝心地のよいベッドを用意し、段差にはスロープも付けるでしょう。移動が大変だからと散歩はカートに乗せたり、抱っこをしたりとより負担の無い生活になるように工夫を凝らします。

 

でも、自然の摂理からみた場合、この行動は逆効果ではないでしょうか?

シニアになったからという理由で、日々の運動量を減らす事で益々筋肉は衰えのスピードを加速するでしょう。弱ってしまった足腰やすり減ってしまった軟骨をフォローすることが出来る唯一の機能は「筋肉」です。その筋肉が弱ってしまい、他の機能をフォローできなくなった時に、本当の衰えを迎えてしまいます。

 

カルシウムは骨を形成し、コンドロイチンやグルコサミンは関節の機能をサポートする効果があります。でも、すり減ってしまった骨や関節をサプリメントの効果で回復させるには、数十年という長い時間を要しますからシニア期を迎えている犬にとっては、まるで効果がないのです。

 

シニアになったからとサプリメントを与えるという方法をとるのではなく、若いころ同様、もしくはそれ以上の運動をさせ、筋肉の維持に努める方がより効果的と言えます。シニアになった愛犬には、若いころと同じ散歩ルートは負担がかかるでしょう。ならば若い頃は30分行っていた散歩を、10分ずつ3、4回行うという方法もあります。

 

また、愛犬の洋服の内側に「重り」を縫い付け、運動に負荷を掛けるという方法も効果的です。まずは、今ある身体機能を存分に活用する事を考えてみましょう。

 

 

理由3:ビジネスとして考えてみましょう

ペットビジネスが最も盛況だった頃、大手経済紙はこぞって日本のペット産業は一兆円規模にまで成長すると予測を立て盛り上がりました。確かに、ペット産業は衣食住すべてにおいて想像以上の成長を遂げ、中でも医療に関する分野の成長は著しいものでした。

 

愛犬の治療に効果があるとなれば、保険の効かない医療であっても飼い主は高額な医療費を負担し治療に臨みます。そのような医療の分野において、なぜ今だに「グルコサミン」や「コンドロイチン」の効果を実証した薬剤が発売されないのでしょうか?

 

ドッグフードの成分の1つとして配合されている事はあるものの、「薬剤」として市販されてはいません。あくまでも医薬部外品である「サプリメント」という位置づけのままです。本当に、シニア期の愛犬の痛みや不調を改善する効果があり、薬剤として市販されたなら、その市場規模は相当なものを見込めることは明白な事実です。でも、市販されていない…。

 

 

これらの事が「グルコサミン」や「コンドロイチン」を添加する事で得られる効果は「思いやり」であるとされる理由なのです。

 

シニア期になり症状が出始めてから慌てて対策を考えるのではなく、若く元気なうちから充分な栄が含まれた食事、良質なドッグフードを選び、続けることがシニア犬になってからも少しでも負担を少なく過ごさせることが出来る対策と言えそうです。

 

 

 

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