PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
いつもと同じ生活リズム、いつもと同じドッグフードを同じ量だけ与えたはずが、食事の直後に突然苦しみ、もがき始めた場合…、あまりの様子に慌てふためくことでしょう。
実は、この症状は「胃捻転」と呼ばれる大変危険なものなのです。突発性の症状であり、発症する犬種も限られていることから、あまり知られてはいない病気ですが、すべての犬種に起こりうる可能性があることは覚えておきましょう。
食後、急激に膨張した胃が不意のタイミングでねじれてしまい、腸によって締め付けられてしまうことで激痛が起こる病気です。
この症状が起こる原因の1つは「食べ過ぎ」が原因とされています。実は、ドッグフードは水を含むと3倍にまで量が増すものもあります。子犬の頃に、ドッグフードを水でふやかし食べさせていたころを思い出してみましょう。水でふやかすことで、ドッグフードは何倍もに量が増えたことでしょう。
成犬になり、ドライフードをふやかさずに食べるようになってからは、この現象が胃の中で起きています。体内に入ったドッグフードは、胃液や飲み水を含み量が何倍にも膨れ上がっています。本来その犬が食べるべき適切な量であれば、胃の中で膨張しても、きちんと消化吸収されるのですが、過剰なまでの量を食べてしまうと胃の中で膨らんだ際に、胃が拡張しすぎてしまい、腸と絡み合ってしまいます。
また発泡加工したドッグフードの場合、膨張しやすいので実は注意が必要です。ほとんどのドッグフードは発泡加工がされています。近年の胃捻転の原因はそういったドッグフードにもあります。膨張しすぎないドッグフードを選ぶことで避けることが出来ます。
胃捻転の痛みは想像を絶するほどであり、自宅療養での自然治癒は難しく、すぐに動物病院を受診し、適切な医療的処置をする必要があります。
この病気を発症しやすい犬種は、シェパードやラブラドールが代表格です。特にシェパードに関しては発症率が突き抜けて多い犬種とされています。またボルゾイも犬種としての発症率は高いのですが、飼育頭数自体が少ないので、症例としての件数は少ないとされています。
他にもコリーやグレートデンも発症率の高い犬種といえます。しかし、発症は大型犬に限ったものではありません。小型犬の場合、ダックスやペキニーズ、コッカーでの発症が多く報告されています。
発症を防ぐために出来ることは、
・食事の分量を適切な量にまもる事
・1日数回に分けて食事をさせる事
・ドライフードはふやかした状態で与える、または発泡処理をしていないドッグフードを選ぶ事
などの方法があげられます。急激な胃の拡張を防ぐことで、胃捻転の発症を予防することにつながります。
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また、食事の後に散歩に出ることも、発症の危険を含んでいます。食事で急激に胃が拡張した状態で、運動をするのですから、不意な時に胃と腸がねじれてしまうことがあります。散歩は食事の前に済ませるようにしましょう。食後の散歩は、30分~1時間ほど経ってから連れ出すようにするとよいでしょう。ただし、激しい運動やドッグランを利用する場合には、食後数時間経過後とするとより安心といえるでしょう。