PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
毎日共に生活をする中で、気が付けば無意識に「犬」と会話をしては居ませんか? 無意識のタイミングで、犬に「号令」としてではなく、「会話」として声をかける、時には小さな子供に話しかける時のような言葉遣いをしてしまうことも…。実はこの行動、日本人特有の行動だと言われています。どうして日本人は、犬に話しかけるときに、幼い子供と会話をする時のような言葉遣いで接してしまうのでしょうか。犬は家族の発した言葉を本当に理解できているのでしょうか?
脳科学の研究では、犬の言語理解能力は人間の3歳児程度とされています。自分で道具を扱い、人間の生活を真似することが出来るチンパンジーの言語理解能力は10歳程度ですから納得できる年齢の目安でしょう。3歳児は、日常生活で大人が発する言葉はほぼすべて理解できているとされています。会話を長文として100%理解するのではなく、会話の中の単語の意味を広い、表情や行動、過去の記憶と結びつけ意味を理解していきます。
ですが、相手の伝えようとしていることは理解できても、自分の意見はスムーズに表現できません。そのうえ、相手の言葉への返答は、ほぼ2択です。YESかNOです。思考は常にポジティブで、感情表現もとてもストレートです。
中には、とても賢いとされる犬種がいることも事実です。その代表格は、ボーダーコリーです。彼らの言語理解能力は、犬の中で最高峰とされています。人間でいうところの7歳程度と言われるほどです。7歳になると、他の犬とどこが違うのでしょうか?
意思表示が上手にできるようになると、例えば飼い主が散歩に連れ出そうとしても、YES、NOで答える以外にも、この相手とは行きたくない、誰と散歩に行きたいという意思表示もあります。知恵が付きますから、飼い主の目の届かない時にだけ、いたずらをするようにもなります。たとえば、テーブルの上に、お菓子を置いておきます。飼い主の見ている前ではお菓子に気が付いていてもまるで無関心を装うでしょう。しかし、飼い主が外出をした途端に、テーブルに上りお菓子をたいらげます。他の犬のように、空き袋をそのままにすることもありません。空き袋もしっかりとどこかへ隠します。これが7歳児の知能レベルです。
初めて犬を飼う人、犬のしつけに不慣れな人には、ボーダーコリーを飼いならすのは至難の業と言われています。プロのドッグトレーナーでさえ、相棒としてボーダーコリーを連れている人が少ないのですから、その難しさはよくわかります。
また、数百頭に1匹と言われる難関試験と通り抜けなければならない盲導犬の言語理解能力は?と気になる点です。盲導犬の多くはレトリバー種が選ばれます。彼らは、特段知能指数が高いわけではありません。知能レベルでは、ボーダーコリーよりも低いでしょう。ですが、犬の中で最も従順で、社交性があり、穏やかな性格であることは間違いありません。
実は盲導犬も理解している言語の総数は、ペットとして暮らしている犬達とほぼ変わりはありません。
脳科学の研究結果からみても、犬達は私たち人間が思っている以上にたくさんの言葉を理解できています。「おやつ」「ドッグフード」「散歩」などを聞くと反応するのは言葉を理解しているからです。ですが、共に暮らす中で、「聞き流す術」も上手に身に着けていて、自分の都合の悪いことは聞き流してしまったり、寝たふりをして過ごしています。どんなにしつけをしても覚えられない犬、おバカな犬というのは、本当は存在しません。テレビで見かけるような、プロのトレーナーが一瞬で犬の問題行動を改善するテクニックというのは、とても簡単なトリックで、単に犬がこの相手には甘えが通用しないなと見抜き、本来の行動を起こしているだけなのです。
犬は、歳をとっても永遠の3歳児と言われています。ですから、どんなに年老いた犬であっても、かわいらしく、かけがえのない存在と私たち飼い主は感じるのでしょう。