PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

良質ドッグフードにカルシウムのサプリメントは実は危険?

 

ドッグフードの総合栄養食だけで毎日の犬の食事は大丈夫?

ドッグフードを選ぶとき何を基準に選んでいますか? との質問に対し「メインとなっている材料」と答える方が大半でしょう。馬肉、ラム肉、鶏肉…中にはアレルギー用に珍しい肉を使用しているドッグフード製品を選ぶこともあるでしょう。

 

どのような基準で選ぶ場合であっても、今、市販されているドッグフードの多くは「総合栄養食」という表記がされています。この総合栄養食とは、アメリカのドッグフード協会の定める栄養バランスを満たしている場合にのみ表記が可能となる栄養バランス「保証」です。総合栄養食と書かれているドッグフードと水だけの接取で、犬に必要な栄養素を接取することができ、健康を維持できるという基準です。

 

ですが、ペットショップの店頭には、たくさんのサプリメントが並んでいます。サプリメントは効果があるのだろうか?もしかしたらドッグフードだけでは栄養が不足しているのではないだろうか?とつい不安になってしまいます。

 

確かに、ペットショップで子犬を購入するときや、シニア犬について相談をした場合に、カルシウム入りサプリメントを勧める場合があります。ですが、実はカルシウム入りサプリメントを与えるという考えは、もう過去の話です。

 

 

ドッグフードにカルシウムの添加が必要だった背景は?

どのくらい過去の話か?というと、日本でまだミニチュアダックスフントやチワワが当たり前のように飼育されていなかった頃の話です。日本でミニチュアダックスフントがペットショップの店頭に並んだのは、今から20年ほど前です。今もあるお台場のペットショップの店頭に並び、当時はあまりの行列にテレビや雑誌の取材が殺到し、店頭ではショーケースの前で立ち止まらないように警備員を配置し、週末には3時間も並んだほどでした。

 

この当時、犬は屋外で飼育、食事はドッグフードではなく、飼い主のご飯の残り物が当たり前でした。ですが、突然のペットブームにメーカーは急ピッチでドッグフードの開発に取り掛かりました。その当時、採算の目途が立たない犬の食事、ドッグフードに栄養バランスや安全、健康という言葉が浮かぶこともなく、当時のドッグフードは豚や鶏の飼料と同レベル、またはそれ以下のものでした。

 

今まで日本には、柴犬が当たり前だった時代に、海外から見たこともないような種類の犬がどんどん入ってくるようになり、ゴールデンレトリーバーやラブラドールといった大型犬ブームも起こりました。

 

その頃、市販されているドッグフードは当たり前のように家庭に広まりましたが、当時のドッグフードでは、栄養バランスが悪く、犬の毛艶も悪く、骨格も細いままでした。もちろん、ドッグフードの材料がトウモロコシや雑穀、稲や麦の茎や根を粉砕したもの、肉類であっても骨や皮を使用していたので当然の結果です。そのため、ペットショップはカルシウムの豊富な製品や食品を積極的に接取するように推奨していたのです。特に、子犬の時期に、カルシウムを多量に接取することで、骨が丈夫になり、しっかりとした骨格が出来上がると信じられていました。

 

この当時、今では驚くような製品がペットショップの店頭にはたくさん並んでいました。鶏の頭の部分の水煮缶までも出回ったほどで、大型犬に人気がありました。それからの20年の間に、日本でのペットの食生活は大きく見直されるようになりました。ドッグフードの開発が進み、栄養という観点へも注目が集まった事、肥満や年齢への配慮が必要だということが当たり前のように考えられるようにもなったのです。

 

 

 

ドッグフードを食べるレトリバーの子犬

カルシウムの過剰摂取とは?

子犬の成長は、それぞれの犬種に応じて、生後半年ほどで骨格の成長が止まる場合もあれば、生後1歳半ほどまで、ゆっくりと成長が続く場合もあります。ペースは違えど、自分達の成長のスピードに合わせて、いろいろな栄養をバランスよく接取していきます。ですが、大事な成長期にある特定の栄養素だけを過剰に接取することで、弊害が生じてしまう場合もあります。

 

それが、カルシウムの過剰接取による骨の形成不全です。骨の形成不全とは、本来成長すべきスピードよりも早い段階で骨が固まってしまう場合や、逆に軟骨の形成に異常をきたしてしまう場合もあります。特に、大型犬に多く見られる股関節形成不全の要因の1つには、子犬の時期のカルシウムの過剰があると考えられています。

 

また、カルシウムの過剰摂取はホルモンのバランスを崩し、神経系の機能低下や免疫機能の低下をも引き起こします。これらの病気は目に見えず、飼い主も異変に気づきはするものの原因が思い当たらない為、対応が遅れがちな問題とされています。子犬の為に良かれと思い、毎日続けている事と思えば、動物病院での問診でもあえて獣医に伝えるべきことと気付かない場合が多いからでしょう。

 

 

妊娠授乳中もサプリメントは不要です

妊娠授乳中の母犬のドッグフードにも、カルシウムの添加を…とされていたのも、やはり一昔前の常識です。今は、栄養バランスの整ったドッグフードを与えていれば、妊娠授乳中であっても過剰にカルシウムのサプリなどは必要とされてはいません。逆に、この時期にカルシウムを過剰に摂取することで、生まれた子犬に先天性の異常がみられる場合も多くあります。気になる場合は犬用ヤギミルクなどを与えれば充分です。サプリメントは必要ありません。

 

 

過剰接取の治療法はありません

カルシウムの過剰接取により、体調に異変が起きてしまった場合や、骨格の形成に不具合が出た場合、根本的な治療方法はありません。日々の生活に支障が出ないように、何かしらの対処療法を取るしかありません。ペットの食事、ドッグフードに関することは日々研究が進んでいます。愛犬の健康のためにも、「昔はこうだった・・・」という意見よりも、「今は・・・」を積極的に取り入れていきましょう。

 

 

カルシウムはサプリではなく、毎日のドッグフードや運動で

栄養バランスの整ったドッグフードを食べている場合には、カルシウムの添加はどの犬種であっても必要ありません。無添加のドッグフードで十分なのです。でも、なんだか骨が細い?同じ犬種に比べて小柄?もし骨格に関する不安がある場合には、今食べているドッグフードを見直し、さらに運動量を増やしましょう。粗悪なドッグフードを食べていたり、十分な運動量をこなしていないことで、骨が成長せずに華奢な骨格のまま大人になってしまう場合が非常に多く見られます。逆に、過度な運動も原因となることがあります。運動は大切ですが不要な負担をかけることにより好ましくない骨格形成を起こす場合があるので注意が必要です。何事もほどほど…が一番だということなのでしょう。

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