PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

犬に主人(飼い主)として認められるには?

 

犬のしつけに関する本などを読むと「犬より優位にいなければ」「主人として認められなければなりません」という考え方があります。実はこの考え方は日本独特の考え方だということを知っていますか?

 

昔、日本では犬を番犬として飼っていました

家族以外の人間が敷地内に入れば威嚇する、大声で吠える、家族が危険にさらされるような野生動物が近づけば全力で戦い抜く…それが番犬です。この場合、犬は誰かの号令で行動していたのではなく、自分の本能によって行動しています。また家族も犬は屋外につないで飼育し、屋内の同じ空間で食事をしたり、寝起きをともにすることなどのない生活を送っていました。「犬より優位にいなければ」という考え方はこの当時の手法です。

 

徐々に犬のしつけの手法も多様化

犬との生活は室内飼育中心になり、徐々に犬のしつけの手法も多様化される中で、この手法には賛否両論上がるようになってきています。もちろん、犬にとって優位で「主人」として認められなければならない場合もあります。それは主に犬を使役のために使う場合でしょう。牧場で仕事をさせる場合、荷物の運搬をさせる場合、警察犬や災害救助犬として特別な役割を持つ場合も同様でしょう。なぜならそれは、たとえ冬の海でも、がれきの山でも、主人の掛け声次第で躊躇なく飛び込む必要があるからです。

 

犬が順位付けをするという理論

そもそも子犬のうちにペットショップで購入し、家族に迎え入れた後、どのタイミングで犬は家族に順位をつけたり、家族のトップに立とうと思うのでしょうか? それとも本当は全くそのような考えをもってはいないのでしょうか?

 

実は、最近の研究で犬はDNA上は起源をオオカミと同じくするものの、その後の進化の過程でオオカミとは全く異なる、犬独自の脳の発達を遂げたとされています。野生の中で群れをなし暮らすオオカミと人間の家畜として暮らす犬とでは脳の発達が大きく異なっていったのです。つまり、犬が順位付けをするという理論はオオカミが群れで暮らす中で、群れの順位を重視することに由来した考え方なのですから、根本的に覆されてしまったのです。

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上目遣いでこちらを見る子犬

犬が人間とともに暮らす上で身に着けた独自の処世術

では、犬が家族の中で一番威張っている、誰の言うことも聞かないというしつけのお悩みはどうして生じてしまうのでしょうか? それは、犬は生後1歳くらいまでに、体力面では人間の18歳程度ほどに成長をするといわれています。人間の18歳といえば血気盛んで勢いのある年頃ですから、その時期、家族に反抗してみたり、一人前になったと思い強気にふるまうこともあるでしょう。犬も全く同様です。18歳に成長するまでに基本的な生活のルールを教えないままでいたことで、歯止めの利かない大人になってしまうのです。これは犬の順位付けとは全く次元の異なる事態であり、基礎的なしつけ、社会化が不足していることが招いた結果なのです。つまり、犬にとって優位に立つ、犬よりも順位が上になるという考え方ではなく、いかに生後1歳になるまでのしつけをしっかりするかが、ともに暮らす上では重要なのです。

 

また家族の中で、お父さんの言うことはしっかりと聞く、一番小さな子供には強気に出るという行動から、犬が順位をつけているという捉え方もあります。でも、毎日の生活を振り返ってみましょう。日ごろ、ドッグフードをあげたり、おやつをあげたり…と、お世話をしているのは主にお母さんではありませんか? 犬は、毎日の生活の中で、お母さんに対して、この程度までならわがままが通る、この程度なら見逃してもらえるというポイントをしっかりと認識しています。

 

同様に子供に対しても、一番小さな子供に対して、この程度までなら反撃されないというポイントも理解しています。その上、軽くかんだり、じゃれたりすると子供が高い声で泣いたり、騒いだりすることで犬はより興奮してしまうのです。幼いほど声のトーンが高いので、犬はますます興奮し、面白がり幼い子供についいたずらをしてしまうのです。犬のおもちゃの定番でもある、噛むとピーピーと高い音がするボールやぬいぐるみは、犬が夢中になるように高いトーンの音がするように作られているのもこのためです。しかし、お父さんの場合、家族よりもともに過ごす時間が少ない上に、声のトーンが低く、いたずらに対する反応も落ち着いている態度であることもあり、犬も一線を隔しているのです。これも犬が人間とともに暮らす上で身に着けた独自の処世術なのです。オオカミにはこの処世術が備わっていないといわれています。ですから、オオカミは人間になつかないし、ペットとしてともに暮らせないといわれています。

 

ちなみに…

犬に対して飼い主である自分の方が優位であると教えるにはどうしたらいいのか?という問いに対してこの様に答えたドッグトレーナーがいます。

 

大きな生肉の塊やドッグフードを用意し、犬の目の前で犬と同じ食べ方で食べてみましょう。食べている最中に犬が近寄ってきたら威嚇して追い払います。そして寝るときは、自分が部屋の中央で寝そべり、犬は部屋の隅へ追いやります。散歩へ出るときには、かならず犬よりも前を歩き、他の犬を見かけたら犬よりも先に威嚇をしてみせます。犬がいたずらをしたり、無駄吠えをしたら、犬よりも大きな声を出し、犬をおびえさせましょう。

 

犬と全く同じ環境で暮らし、犬に自分の方が力量が上であると犬に理解のできる方法で見せつけることで、犬は飼い主の方が自分より優位な存在であると認識できると言われているからです。犬に飼い主である自分が優位であると教えるより、まずは基礎的なしつけ、社会化が出来ているかを考え直すことが、犬との生活をする上で大切です。うちの子が言うことを聞かないなどと言っていないでまずは基本的なしつけが出来ているかを今一度考えてみましょう。

 

 

 

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