PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

犬に与えてもよい食べ物について~野菜・果物~(前編) 

 

犬に与えてもよい食べ物 はじめに

犬は、いつだって家族の行動や持ち物に興味津々です。特に、嗅覚の鋭い犬にとって、人の食べ物はまさに香りの宝庫。興味をひかないはずがありません。そして、人が好む食べ物には犬にとってもおいしく感じられるものが数多くあります。とはいえ、それを人と同じように食べていいかというとそうではありません。例えば、ネギ類やチョコレートなど、私たちが普段食べている食べ物の中には、犬の健康を害する危険性のあるものも含まれるため注意が必要です。また、たとえ喜んで食べているからと言って、それが体に害のない食べ物だとは限りません。愛犬の健康のために、時に心を鬼にして、しっかりと「食べてはダメ!」と教える必要があります。

犬に与えてはいけない食べ物 記事はこちら

 

 

お刺身が大好きなある犬の話

これは、実際にあったケースですが、あるわんちゃんは生のイカが大好きだったそうで、飼い主さんは愛犬の喜ぶ姿が見たくて頻繁にイカのお刺身を買ってきてはあげていたそうです。しかし、あるときから、その犬は体調を崩しはじめ、下痢や嘔吐(おうと)を繰り返すようになったといいます。その後、徐々に手足のむくみや痺れといった症状も見られ始め、最終的には痙攣まで起こして、とうとう入院することになってしまいました。

 

犬は、もともと生のイカに含まれる『チアミナーゼ』という酵素を体内で分解することができません。そして、チアミナーゼは体内でビタミンB1の吸収を阻害する働きをするため、それによってビタミンB1欠乏症になる可能性があります(後で聞いた獣医師さんの話では、上記の症状は、やはりビタミンB1欠乏症によるものだったそうです。)

 

ただし、チアミナーゼは体内に長くとどまらず、また過熱することで破壊される酵素なので、熱を通したもの、あるいは生でも少量なら問題がなかったのですが、このご家庭では、イカのお刺身を頻繁に与えていたことがどうやらよくなかったようです。

 

犬にとって危険な食べ物もありますが…

人が口にする食べ物の中には、犬にとって危険性が高く与えてはならない食材があることは事実です。ただし、闇雲に恐れて「あれもダメ、これもダメ」と制限していくと、愛犬の食べる楽しみを奪ってしまうことになるかもしれません。上で例として挙げたイカの場合も、過熱することで有害な酵素は分解され問題なく食べられるようになります。このように調理法次第で犬でも食べられるようになる食材はいくつもあり、飼い主さんが食に対する正しい知識を持つことで、愛犬の食生活を豊かなものにすることもできるのです(ただし、危険性に対する十分な理解が必要なのは言うまでもありません)。

 

では、普段私たちが口にする食材のうち、犬に与えても大丈夫な食べ物について見ていきたいと思います。今回は、その中でも特に食材の種類が豊富な野菜と果物について代表的なものをご紹介します。

 

 

犬に野菜・果物を与える際に気をつけたいこと

野菜や果物の中には、犬が食べても問題のないばかりでなく、栄養価が高く体にも良い食材が数多く存在します。そのため、愛犬と家族が一緒に食べることのできる食べ物の代表といえるでしょう。

 

ただし、野菜や果物を与える際には一つ注意したいことがあります。犬に野菜や果物を与える際には、あらかじめ「種・芽・茎・皮・芯」などの部分を取り除いてから与えるようにしてください。なぜならば、一般的に、犬の消化器官は人間のものよりも小さく、繊維質の多いこれらの部位を食べてしまうと、消化しきれなかったものが喉や食道、胃や腸などに詰まってしまう可能性があり、ひどい場合には手術をして取り除かなくてはならなくなることもあるためです。

 

また、例えば、ジャガイモの芽のように、種類によっては部位そのものが中毒性をもつものも存在するため、やはり取り除いておくに越したことはないといえます。

 

 

様々な野菜の画像

犬に与えてもよい食べ物 ~野菜編~

それでは、まずは前編では野菜から見ていきましょう。

 

かぼちゃ

かぼちゃは、ビタミンCとビタミンEのほかβカロテンなども含まれた栄養豊富な野菜です。甘みがありおやつにもぴったりです。ただし、茹でてやわらかくなった果肉部分は歯につきやすいため、食後の歯磨きなどは丁寧に行うようにしてください。また、皮の部分は実よりもだいぶ固く繊維質であるため、与える際は取り除いてあげるとよいでしょう。ドッグフードの素材として含まれていることも多くあります。

 

きゅうり

きゅうりは成分の90%以上が水分で構成されているため、夏場の水分補給に最適な野菜です。歯ごたえもよく、調理せず生のまますぐに食べられることからも、おやつや間食として重宝します。

 

トマト

トマトに含まれ、赤い色の元ともなっている酵素リコピンには、体の酸化を防止する抗酸化作用があります。また、トマトはがん予防にも効果があるとされています。さらにビタミンCやカリウムなどのミネラル成分が豊富に含まれる上、瑞々しい果肉には水分もたっぷりで夏場の水分補給や熱中症対策、夏バテ予防などにもおすすめです。

 

キャベツ

キャベツは、整腸作用があり、季節ごとに異なった味わいを楽しめる野菜です。特に春キャベツは、葉の部分がやわらかいため、生でも食べさせることができます。ただし、食べ過ぎると便が緩くなることがありますので、与える際には、愛犬の体調を見ながら量を調整してください。

 

白菜

白菜はキャベツと似た葉物野菜ですが、キャベツよりも食物繊維が少なめで低カロリーな野菜です。そのためダイエットにぴったりです。ドッグフードに混ぜてかさ増しして与えてもよいでしょう。生だと少し硬いので、茹でてから小さく切ってあげましょう。

 

レタス

レタスにはビタミンCやビタミンEが豊富に含まれ、おやつや間食にもぴったりの野菜です。また、瑞々しい葉の部分には水分も多く含まれ、水分補給にもぴったり。葉が薄く食べやすいため、生でそのまま、あるいはサッと茹でたりといろいろな食べ方が楽しめます。

 

ジャガイモ

ジャガイモは、外国では主食として食べられている地域があることからも分かるように、おやつや間食としてだけではなく、ご飯として食べさせることもできる便利な野菜です。また、ジャガイモに含まれるビタミンCは過熱しても壊れにくいという特徴があり、ビタミン補給に効果を発揮します。茹でたての素材の味をそのまま味わうもよし、また、潰して薄くのばしたものをパリッと香ばしく焼いてあげるもよし、ヘルシーな野菜ケーキの土台にするもよしと、工夫次第で様々な料理に変身する使い勝手の良い野菜です。こちらもドッグフードの材料としても多く使用されます。

 

にんじん

にんじんはβカロテンを含む野菜の代表で、抗酸化作用を持つとされています。また、食物繊維が豊富なため、生や固ゆでの状態で与えると便がやわらかくなることもあるので、しっかり茹でたものを与えるようにしましょう。さらに、繊維質である特徴を生かして、スティック状にしたものを歯磨きガムの代わりにするという使い方もできます。

 

大根

大根には整腸作用があり、消化酵素が含まれていて、おなかの調子を整えてくれる「おなかのおそうじやさん」として有名です。愛犬がおなかの調子を崩しているときにぜひ試してみたい野菜です。ただし、与えすぎは軟便の原因になるので、体調を見ながら量を調整してください。

 

ブロッコリー

ブロッコリーにはビタミンが豊富に含まれており、ビタミンの補給にぴったりです。また、食物繊維も豊富に含まれています。ただし、茎の部分は特に繊維質で、食べると消化管に詰まったり消化不良を起こしやすいため、与えるなら、つぶつぶした房の部分がよいでしょう。

 

パセリ

パセリには腸の働きを促進し、便秘やダイエットにも効果があるといわれる不溶性食物繊維が豊富に含まれています。ほかの食物繊維を多く含む野菜や果物同様、一度に食べ過ぎると便がゆるくなることがありますが、食事に彩りを添える程度の量ならば問題ありません。

 

 

以上、犬が食べても大丈夫な野菜の一部をご紹介しました。いずれにしても同じものを大量に与えるのは好ましくありません。好きだからと言って、欲しがるからとたくさんあげすぎるのは体調を崩す原因となります。ドッグフードのトッピングとして利用したり、体調を見ながら適切な量を与えるようにしましょう。

 

後編の次回は果物について見ていきます。

犬に与えてもよい食べ物について~野菜・果物~(後編)  記事はこちら

 

 

 

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