PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
動物病院で、飲み薬の処方がされたものの、いざ自宅に戻るとなかなか上手に飲ませる事が出きずに、手を焼いた経験をした方も多いことでしょう。中には、毎日の投薬の為にだけ、動物病院へ通われる飼い主さんもいるほどです。
しかし、飼い主さんが薬を飲ませる事に慣れていない、上手に飲ませる事が出来ないのは当然の事です。決して、しつけが出来ていないから、犬のあつかいが下手だからではありません。
あるアンケートによると、5歳以下の犬の飼い主さんが、動物病院を受診する回数は、年に1~2度が圧倒的多数です。これは、年に1度フィラリア予防、狂犬病予防注射、ノミダニ予防のために通院し、その後は病院とは疎遠になっているという事です。もちろん、愛犬が健康だという証でもあるので喜ばしい事です。
しかし、5歳を過ぎ、徐々にシニア期になると、通院回数も増え、定期的な投薬の必要性が生じます。それまで共に生活をする中で、飼い主さんも犬自身も、お互いに投薬に慣れていないのですから、スムーズにできなくて、当たり前です。そこで今回は、愛犬の性格別にスムーズな投薬方法を見てゆきましょう。
定期的な投薬はあるものの、まだまだ元気一杯、じっとしている事が苦手な性格の愛犬には、薬は粉末の処方がよいでしょう。例えば、愛犬のおやつのクッキーを、事前に細かく砕いておきます。与える時は、手のひらにクッキーの粉を乗せ、その中に粉末の薬を混ぜ、愛犬に舐めさせます。
この方法であれば、薬だけを残す事はできません。また、愛犬に警戒心を抱かせない為に、日ごろから、この砕いたクッキーをおやつとして与えるようにしましょう。薬を入れ、与えるタイミングは、遊びの最中や、飼い主の帰宅直後など、愛犬のテンションが高めになっているときがおすすめです。
元気一杯な愛犬にとって、毎日決まった時間に飼い主が薬を持参し、押さえつけたり、無理やり口をこじ開けたりという事は、不快そのものです。中には、我慢の限界を迎え、飼い主に噛みつく、家の中を逃げ回るという事もあるでしょう。
こうなると、余計に手がかかり、飼い主側も意地になってしまいます。薬は決められた量を、決められた日数分、飲ませる事が大切であり、どのように飲ませるのかは、それぞれの家庭次第です。
日ごろから、歯磨きや爪切りを静かに、飼い主にゆだねてくれる愛犬の場合、薬の処方は錠剤がおすすめです。この場合、毎日のケアの中で、タイミングを見て、口を大きく開けさせ、そっと喉の奥へ薬を押し込み飲ませてしまいましょう。投薬に関しては錠剤の方が、のみ残しの心配もなく確実です。
また、犬はその習性から、一旦喉の奥まで入ってしまったものは、条件反射で飲み込んでしまいます。錠剤は、すぐに体内で溶けてしまうので、その後吐き出す事もありません。ただし、舌の先や喉の手前側に薬を置いてしまうと、上手に吐き出してしまうので、犬の口を大きく開けた状態で、正面から薬が見えない位置まで、押し込みましょう。
動物病院やトリミングショップで、いとも簡単に犬の口を開けさせる様子を見て、さすがプロだと思いませんか?
実は、これは犬の口の付け根にある、ある場所をそっと押すと、どんな犬でも必ず口を開けてしまう骨格になっている事を、把握しているからなのです。
愛犬の口の付け根あたりを、両側からそっと触ってみましょう。歯の骨格と、顎の骨格の境目あたりに、柔らかく、くぼむ場所があります。実は、この部分を外側からそっと押されると、どんなに歯を食いしばっていても、犬は口を開けてしまうのです。
また、この部分に、両側から人間が指を入れ口を開けさせても、このくぼみの部分には、歯がないので、噛まれる心配もありません。
薬を飲ませる時には、犬の顔の上部から手をかざすようにあて、親指と人差し指を、このくぼみに押し込みます。犬が口を開けたタイミングで、もう片方の手で、薬を喉の奥へ押し込みます。このくぼみに、指を深く押し込めば押し込むほどに、犬は口を大きく開きます。
この方法であれば、飼い主さんが必死で力を入れなくても、簡単に口を開け、一瞬で投薬を終える事が出きます。
くぼみの部分を押される事で、犬にはなんら痛みや不快感はありません。もし、犬が嫌がるとすれば、それは痛みがあるからではなく、単に飼い主さんに押さえつけられる事での不快さだけです。
また、犬の口は、正面からこじ開けることが何より難しいものです。薬を飲ませる為にと、閉じている犬の口を正面から開かせようとしても、犬が歯を食いしばれば、たとえ大人であっても、難しいものです。無理にこじ開ければ、ますます犬は投薬が嫌いになってしまいます。
まずは、愛犬の口のつけ根あたりのくぼみを触ってみてください。軽く押すだけで簡単に口があいてしまう事がわかるでしょう。