PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
愛犬の健康と長生きの為にとドッグフードに関する資料に目を通していると、必ずと言っていいほどに「オメガ6」という言葉が出てくることでしょう。日ごろ、聞きなれないこの言葉、健康面でどのような効果のある栄養素なのでしょうか?
犬も人間も健康な体を維持する上で「脂質」は必ず接取しなければならない栄養素です。この「脂質」という栄養素を細かく分類していくと、オメガ9、オメガ6、オメガ3の3つに分類することができます。この3つはどれも体内で生成することが出来ないので、日ごろの食事から接取しなくてはなりません。
脂質と聞くと、脂、肥満といった悪い印象を抱きがちですが、実際には細胞やホルモンを作り出すうえで必須となる重要な栄養素であり、体のすべての機能に関係しています。
中でも、このオメガ6は、「リノール酸」とも呼ばれ、テレビCMなどで耳にしたことのある言葉でしょう。大抵の植物油の原料であることから、日常生活で不足することはまずなく、ドッグフードに含まれている代表的な栄養素でもあります。この栄養素がきちんと接取できていることで、皮膚や被毛が健康な状態に保たれているのです。
しかしどんなに大切な栄養素であっても、過剰摂取は体に不具合を起こしてしまうものです。接取したオメガ6がきちんと体内で分解され、消化吸収されないことで、愛犬のアレルギーやフケ症など、皮膚トラブルを引き起こしてしまう場合があります。
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オメガ6は主に植物油に含まれる栄養素であり、オメガ3は動物の脂質に含まれる栄養素です、代表的なものでは、青魚やサーモンなどがあげられます。このオメガ3とオメガ6には相互に機能しあう性質があり、どちらか一方だけを摂取するのでは、健康維持の効果が得られません。
かといって、ドッグフードに配合されているオメガ3やオメガ6の分量をきちんと把握し、それぞれの接取量を管理することは至難の業でしょう。オメガ3とオメガ6の摂取量を計算するより、手作り食やドッグフードのトッピングを考える際のポイントの1つとしてとらえておきましょう。
摂取したオメガ6を体内で上手に消化分解することができず、体内に過剰に蓄積されてしまうことがアレルギーの発症原因の1つともされています。同じドッグフードを同じ犬種、親子で食べていても、一方は問題なく、もう一方だけがアレルギーを発症する場合もあります。これはそれぞれの個体のもつ消化酵素の違いが原因でもあります。
つまりはアレルギーを起こしている原因が、ドッグフードに含まれているオメガ6であるならば、ドッグフードを別のものに変え、オメガ6の含有量が変わることで、症状が緩和される可能性があるということになります。薬を使った対処療法ではなく、ドッグフードの切り替えによる体質改善とはこのような栄養学に基づいているのです。
オメガ6は比較的安価で入手することができるのでドッグフードの材料として多用されがちです。しかし、必須栄養素でありながらも、逆にアレルギーなどの弊害を起こしてしまう存在でもあるという事を覚えておきましょう。皮膚や被毛の状態の改善には、まずは良質なドッグフードが大切です。さらに、サプリメントを活用する場合には、過剰接取になりがちなオメガ6ではなく、不足しがちなオメガ3を接取できるようにしてあげるとよいでしょう。