PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
犬が避妊・去勢手術をすると太りやすくなるのでドッグフードを与える量を減らしましょう…避妊・去勢をするとよく耳にします。避妊・去勢をすると太りやすくなるのでしょうか? 全ての犬が手術後に肥満になるわけではありませんが、その傾向があるのは確かです。
アメリカの研究では手術をしていないメス犬に比べて、避妊手術をしたメス犬は、肥満リスクが2倍になると発表しました。イギリスの獣医団体の調査研究では、手術後の犬の21%が肥満であると発表していました。では、何故、避妊・去勢手術を行うと太ってしまうのでしょうか? それには諸説あります。
・食欲増加
男性ホルモン、女性ホルモンはある程度食欲を抑制する働きをしています。手術によりこのホルモン量が減少し、食欲増加につながります。性欲がなくなり食欲に関心が向くのです。
・運動不足
ホルモンの関係で、周りへの関心が少なくなった結果、動くことがおっくうになる、散歩にも行きたがらなくなり運動不足となってしまいます。
・新陳代謝の低下
ホルモンバランスが崩れることにより、食べたものを適正に利用してエネルギーに変える働きが鈍くなります。その結果、脂肪として体内に蓄積されてしまいます。また。筋肉をつける働きをする男性ホルモンの分泌が減るので、特にオス犬の場合は筋肉にならずに脂肪となり太ってしまう場合もあります。
・消費エネルギーの減少
避妊・去勢手術をすることにより、生殖機能を維持するためのエネルギーが不要となります。手術前の生殖機能を維持する為に必要なエネルギーは全体の30%を占めています。手術後、そのエネルギー消費量が落ちているのに、手術前と同じ食事をしているとカロリーオーバーになり太ってしまいます。
このように、生殖器官を取り除くことによりホルモンバランスが崩れ、避妊・去勢手術後に様々な理由で太りやすくなります。これには、元々もっている体質や避妊・去勢手術をする時期によっても変わってきます。避妊・去勢手術は様々な病気リスクの回避というメリットもありますが、手術後に太ってしまうと、逆に肥満によって引き起こされる病気も出てきます。
犬のダイエット、ドッグフードを食べながら上手な食事制限の方法 記事はこちら
飼い主さんは愛犬が手術をしたから太るという認識ではなく、手術後のホルモンバランスによる代謝の低下や必要エネルギーの減少を踏まえ、ドッグフードの量を少しずつ減らしたり、楽しく一緒に遊んだりして、太らないよう管理をしてあげましょう。