PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

ドッグフードに使われる肉の種類について

 

犬は、祖先であるオオカミから肉食の習性を受け継いでいると言われています。そのため、市販されているドッグフードにも主な食材としてお肉を使ったものを多く見かけます。

 

犬にとってタンパク質は健康維持にとって欠かせない栄養素であり、食事に占める割合としては、人間のおよそ4倍もの量が必要だとされています。お肉には、その中でも犬にとって特に消化吸収に良いとされる動物性のタンパク質が豊富に含まれています。

 

もともと犬には、必須アミノ酸(体内では合成されず健康維持のために食物からとらなければならない)が10~12種類あると言われていますが、お肉に含まれる動物性タンパク質にはこれらがバランスよく含まれています。

 

犬の食性も、人と共に暮らす中で少しずつ変化し、肉食から野菜や穀物なども食べる雑食へと進化してきたといわれていますが、それでも消化吸収のしやすさや、本来の食性、豊富に含まれる動物性タンパク質など、総合的にみて食事の主役はやはりお肉だといえるでしょう。

 

 

それぞれのお肉の特徴について

では、ドッグフードに使われているお肉にはどのような種類のものがあり、また、それぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。ここでは、一般的にドッグフードに使われることの多い6種類のお肉とその特徴についてみていきます。

 

まず、特にポピュラーなお肉である「牛肉、豚肉、鶏肉」についてです。

・牛肉

お肉と聞いて、まず牛肉を思い浮かべるという方も多いのではないでしょうか。人間の場合も、ステーキや焼き肉、すきやきなど牛肉を使った料理は肉料理の王道といえます。犬にとっても、風味豊かで味わい深い牛肉は、お気に入り食材の一つです。

 

また、味だけでなく、牛肉は栄養のバランスにも優れ、まさに肉の総合栄養食といっても過言ではありません。とりわけ鉄分が豊富に含まれていることから、貧血の予防にも効果を発揮します。

 

・豚肉

豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1には、筋肉に蓄積されると疲労の元となる乳酸を分解する働きがあり、活動的な犬にとっては疲労回復の強い味方です。また、ビタミンB1は、ストレスを解消し、イライラを沈めてくれる効果もあるといわれています。

 

もし、「噛み癖がある」「頻繁に吠える」などの行動にお悩みの場合には、豚肉をメイン食材として使用したフードに変えることでストレスが緩和され、そのような行動を抑制する効果が期待できます。

 

・鶏肉

鶏肉は、高タンパク低脂肪なお肉の代表格です。その特徴から、ダイエット用の食材として広く利用されており、ドッグフードや犬用のおやつにも鶏ササミを使ったものを多く見かけます。

 

また、鶏肉にはビタミンKが豊富に含まれています。ビタミンKは血液を凝固させる働きがあるため、骨粗しょう症や動脈硬化の予防に効果を発揮します。

 

まとめ1

それぞれのお肉の特徴から、牛肉は、ご褒美として、豚肉は疲労回復やストレス解消に、鶏肉は、ダイエット用の食材になどといった利用の方法が考えられます。ただし、お肉は、同じ種類でも部位によって含まれる栄養素のバランスが変わってきます。特に、牛肉や豚肉では、その部位によって栄養の種類や含有量に大きな違いがあり、たとえば、ロ-スには脂肪分が多く含まれる一方、ヒレ肉などは、反対に低脂肪高タンパクの部位です。

 

ドッグフードに使われているお肉の種類を確認する際には、牛・豚・鶏の区別だけでなく、できればどの部位のお肉が使われているのかまでチェックしておきたいものです。

 

 

お肉の種類もバラエティー豊かに

近年、ニーズの多様化に伴い、ドッグフードにも様々な種類のお肉が使われるようになってきています。その中でも「鹿肉・馬肉・羊肉」の3種類が健康維持の観点から特に注目を集めています。

 

・鹿肉

鹿肉は、鶏のササミと並ぶヘルシーな食材として注目されています。例えば、食肉としてポピュラーな牛肉との比較では、カロリーは100gあたり110kcalで、牛肉のおよそ2分の1、脂質は約10分の1といずれも低い値を示しています。その一方で、含まれるタンパク質の量は牛肉と遜色がなく、まさに高タンパク低脂質の見本のような食材だといえます。

 

また、鹿肉には、ビタミンB6やナイアシン、カリウム、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれています。また、鹿肉には、ビタミンB6やナイアシン、カリウム、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれています。ナイアシンはビタミンB群のひとつで、血行を促進するほか、脳神経を正常に働かせるという役割も担っています。

 

さらに、鹿肉には、貧血予防に欠かせない鉄分が豊富に含まれています。その含有量は、鉄分が豊富な牛肉のおよそ3倍にもおよびます。加えて、鹿肉には抗がん作用や肥満防止に効果がある必須脂肪酸(体内で生成されず食事から摂取する必要がある脂肪酸)のひとつであるリノール酸も含まれています。

 

以上のような特徴から、鹿肉は、肥満気味の犬や、代謝の落ちたシニア犬にピッタリの食材だといえます。

 

・馬肉

馬肉は、鹿肉同様、低カロリーで高タンパク、さらに低脂肪という特徴を兼ね備えたな食肉です。馬肉のタンパク質にはペプチドが含まれており、疲労回復、筋肉の修復・増強、免疫力アップなどさまざまな効果を発揮します。また、健康の維持に欠かせない必須脂肪酸であるリノール酸、オレイン酸などもバランスよくかつ豊富に含まれているため、食欲の落ちたシニア犬にもおすすめです。

 

また、脂肪の質は魚に似ているとされ、他の動物の脂にはほとんど含まれないαリノレイン酸が多いのも特徴です。αリノレイン酸には、がん発生を抑制し、血液の流れを良くする効果があります。

 

もともと、馬はとても内臓がデリケートなため、育成の過程で添加物やホルモン剤などを使用しません。そのため、他の動物の肉に比べアレルギーを起こしにくい食材だといわれています。さらに、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。

 

・羊肉

羊肉には、タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質がバランスよく含まれています。また、他の肉に比べてカロリーが高く脂質も多く含む一方、コレステロールを低減する不飽和脂肪酸が豊富であるという特徴を持っています。

 

羊肉には、脂肪燃焼を促すとされるカルニチンが多く含まれているため、ダイエット食としても注目を集めています。ただし、お伝えしたように、羊肉は高カロリーで脂肪の割合も多いことから、効果を得るためには、ただ食べるだけではなく合わせて有酸素運動などを行う必要があります。

 

以上の特徴から、羊肉は、成長期で食べ盛りの子犬や、成犬でも、あまり食欲がない犬に適していると言えます。

 

 

まとめ2 結局ドッグフードには、どのお肉がいいの?

先に結論を申し上げると、どれがドッグフードに使われるお肉として最適かということについて、ただひとつの解答というものはありません。ある犬に適したドッグフードでも、別の犬にとっては、それがアレルギーの原因になるということもあるでしょう。また、犬種やその犬の成長段階、体型の違いによっても答えは変わってきます。したがって、お肉それぞれの特徴を踏まえた上で、それぞれの犬に合ったものをその都度選択していくことが大切だと考えます。

 

 

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