PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
犬に必要な栄養素とは?
犬の健康に欠かせない3大栄養素
私たち人間の場合、健康を維持するために特に大切な5大栄養素として「炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル」の5つがあげられます。同じ哺乳類に属する犬にとっても、この5大栄養素は同じように大切なものです。中でも「たんぱく質、炭水化物、脂質」は3大栄養素とも呼ばれ、健康維持にとって欠かせないものです。この3大栄養素を中心に、犬に必要な栄養素について見ていきたいと思います。
犬の主食はたんぱく質
人間と犬とでは、実は必要とする栄養素のバランスに違いがあります。人間の場合、米やパン、じゃがいもなど主に炭水化物を主食としていますが、肉食性のオオカミなどを祖先にもつ犬の場合、主に必要とする栄養素はたんぱく質です。人間がたんぱく質から摂取する必要がある必須アミノ酸の数が10種類であるのに対し、犬の必須アミノ酸の数が12種類であるということにも現れています。
たんぱく質の役割
たんぱく質は、主に筋肉や皮膚、内臓、血管、毛、爪など体組織を形成するための役割を果たし、不足すると発育障害や免疫力低下、貧血、美しい毛並みが失われるなどの症状の原因になります。また、犬が必要とするたんぱく質の量は、成犬の場合、人間(成人)のおよそ1.3~2.8倍とされています。ただし、摂取しすぎると、肝機能障害や肥満の原因になることもあるため注意が必要です。
犬の食事はお肉だけでいいの?
オオカミなどを祖先に持つ肉食性動物である犬にとって、たんぱく質は重要な栄養素です。食事の内容も動物性たんぱく質を多く含んだものにするという考え方が基本となります。ただし、動物性たんぱく質だけで犬に必要な栄養素をすべてまかなえるわけではなく、炭水化物など他の栄養素も合わせて摂取する必要があります。
例えば、犬の祖先とされているオオカミの食生活を見てみると、彼らはシカなどの獲物を捕らえた場合、まずその内臓から食べるといわれています。これはなぜかというと、獲物の内臓には、まだ消化途中の植物や穀物が残っており、そこにはエネルギー源となる炭水化物が含まれているためだといわれています。もともと肉食動物は、炭水化物を消化することがあまり得意ではありません。それゆえ、他の動物が腸内で消化したものを摂取することで、より効率よく炭水化物に含まれる糖質などを体内に取り込もうとしているのだと考えられています。
犬と炭水化物
犬の場合、肉食性のオオカミを祖先に持ちながらも、人間と共に生活する過程で徐々に多様な食生活にも適応し、より雑食傾向が強くなったとされています。また、2013年にイギリスの科学誌「ネイチャー」が発表した論文では、犬は祖先とされる狼よりも効率的に炭水化物に含まれるデンプンを消化できる能力を持っているとも報告されています。
一方で、炭水化物の主成分であるデンプンに関しては、そのままの状態では消化率が低いことを問題視する声もあります。ですが、市販されているドックフードに含まれる炭水化物は、犬が消化吸収しやすいよう過熱・加工されており、そのほとんどを消化することができるため、それほど神経質になる必要はありません。ただし、雑食性が進んだとはいえ、犬は元来肉食動物です。人間と同じく主食のような感覚で炭水化物を大量に与えると、消化不良を起こしたり、脂肪として体内に蓄積され、肥満の原因になる可能性もあるため注意が必要です。
炭水化物の役割
炭水化物の主成分であるデンプンは、体内で分解され、ブドウ糖として即効性の高いエネルギー源になります。また、炭水化物に含まれる食物繊維の一部であるセルロースは、犬が消化する酵素を持たないため、体内に吸収されることはありませんが(セルロースを消化する酵素を持たない点は、私たち人間も一緒です)、腸内環境を整える働きがあります。
脂質は犬のエネルギー源かつ体調管理の調整役
脂質はたんぱく質や炭水化物と共に、犬にとって大切な栄養素のひとつです。特に、エネルギー源としての役割が重要で、脂質はたんぱく質や炭水化物の2倍ものエネルギーを生み出すとも言われています。脂質はどちらかというと遅効性のエネルギー源で、普段は体内に脂肪として蓄えられ、即効性のエネルギー源である炭水化物やタンパク質が不足したときに、エネルギー源としての本領を発揮するといわれています。また、脂質は体内に取り込まれた脂溶性ビタミン(A、D、E、Kなど)の吸収をサポートする役割を果たします。さらに、細胞膜や血液の構成成分となり、ホルモンの生成に関わりがあるほか、内臓の保護や体温の調整を行うなど、体内で健康を維持するための調整役を担っています。
脂質の不足と過剰摂取
脂質が不足すると、発育障害や、免疫力の低下、赤血球の減少、毛ヅヤがなくなるなどの症状が出る場合があります。一方、脂質を過剰に摂取すると、肥満や下痢を引き起こし、また動脈硬化や内臓疾患の原因になることがあります。
ちなみに、市販のドックフードの場合、含まれる栄養素のうち、子犬用ではおよそ20パーセント、シニア犬用ではおよそ10パーセントが脂質で構成されていることがほとんどです。
カルシウム
カルシウムは犬にとってとても大切な栄養素です。人間の場合、一日およそ0.6グラムが目安となる摂取量だといわれていますが、犬はというと、幼年期(特に生後6ヶ月まで)には、一日およそ8グラム摂取する必要があるとされています。これは、実に人間の13倍にもなります。
ビタミン
ビタミンは、体調を整え健康を維持するために潤滑油的な働きをします。そして、健康な犬の場合、体内でビタミンCとビタミンKをつくりだすことができます。ただし、ビタミンAやビタミンB1、B2、ビタミンDなどは体内で生成することができないため、食事によって摂取する必要があります。
このように人間と同じく犬にも必要な栄養素があります。毎日を健康に過ごすためにもバランス良く充分に栄養が摂取できる食事、良質なドッグフードでの食事を心がけましょう。
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