PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ

子犬のドッグフードを制限したら将来は小柄サイズに育つ?

 

カニンヘンダックスフンドから始まり、ティーカッププードル、さらには「あずき柴」なるものまで誕生している、昨今のペット業界。中には体重20kg以内のゴールデンレトリバーや、5Kg以内のシェルティを排出しているブリーダーもいるほどです。

 

日本では、犬を室内で飼うことがごく当たり前になってきています。日本の住宅環境のせいか、犬は小さければ小さいほど好まれる傾向があります。お世話も楽で、室内のスペースも占領しません。電車で連れ歩くことも楽に出来るでしょう。

 

しかし、本来の犬種の性質を損なう形での品種改良は、必ず、何等かのリスクを伴うものです。

 

 

ペットショップでは、販売前の子犬にドッグフードの制限をしている?

こんな、噂を耳にした事はありませんか? 大きく成長してしまうと売れ残ってしまうから…、ショーケースに驚くほどに小柄な子犬が店頭に並んでいるから…と、このような噂がまことしやかにささやかれています。

 

たしかに、一昔前のペット業界ではこのような管理方法が、横行していた時期もありました。まだ、ペットブームの真っ只中で、犬の健康に関して、何等意識がされていなかった当時です。

 

しかし、最近ではこのような管理体制を取っているペットショップは、逆に減少しています。それは、そもそも、入荷する子犬のサイズが極小化しているからです。

 

小柄である事が良しとされる風潮が高まり、繁殖の時点で、より小柄なペアで子作りを行うからです。当然、生まれる子犬は小柄なサイズではありますが、小柄な母犬は出産に耐える体力がない上に、妊娠頭数も少なく、度重なる繁殖を強いられる事になります。

 

このような悪循環の中で誕生した子犬は、誕生の時点で未熟児状態であり、生命力が弱い事が多く見られます。また、母犬も十分な母乳が出ない、育児が負担になり育児を放棄してしまう事も見られます。

 

ペットショップは、月齢上の計算で離乳時期を決め、子犬を仕入れ、販売を行うので、まだまだ手のかかる乳幼児の状態で引き取り、管理を行います。食事制限をし、成長を止める事よりも、まずはしっかりとごはんを食べさせ、健康に過ごさせる事を、最優先に考えています。

 

つまり、世間でささやかれている、ドッグフードを与えている量が少ないなどの、食事管理に関しては、単なるうわさであるという事が言えるでしょう。

 

 

どうして大柄に育ってしまうの?

子犬の時期に、たくさんドッグフードを食べる癖がついてしまうと、将来、大柄になってしまうのでは? 大柄な成犬は、子犬の頃に食事制限をしなかったから? という疑問がよく寄せられますが、子犬の食事制限と、将来のサイズには何ら関係性はありません。

 

例えば、ヨークシャーテリアの中には将来5Kgを超えるサイズに成長する犬もいます。

トイ・プードルの血統書を持つ子犬を購入したものの、成犬になる頃には体重が8Kgを超え、これではトイではなく、ミニチュアではないか? と疑問に思ってしまうこともあります。

また、同時に生まれた兄弟でありながら、成長時の体重に倍以上の差が生じる場合もあります。

 

これらは、すべてそれぞれの「個体差」「個性」なのです。

 

もちろん、飼育環境により、ドッグフードを与える量、運動量、ストレスレベルの差はありますが、成長の度合いを左右するほどの大差は生じないでしょう。成長時のサイズは基本的には遺伝によって決まり、大抵の場合、親犬よりも一周りほど大きく育つ事が多いと言われています。

 

繁殖現場では、一度の出産で、より多くの子犬の誕生を望むために、大柄なメスを交配に用いることが多く見られます。例えば体重2Kgのヨーキーと5Kgのヨーキーでは、当然の事ながら、胎児の頭数にも差が生じる上に、出産時の安全性にも差が生じます。

 

ペットショップの店頭では、小柄だと思い、購入したヨーキーの子犬も、実は親犬が5Kgを超えるサイズであれば、当然の事ながら将来は5Kg以上に成長するものです。しかし、この点は、日本のペットショップでの子犬販売の仕組みでは、親犬の骨格、サイズを確認し、購入することが難しいという事から、厳密に追及する事は難しいでしょう。

 

 

クレートに収まる小柄なヨークシャテリア

犬のサイズに厳密な制限がある場合には…

日本のペット飼育事情では、マンションの規約で、飼育可能なペットは体重5Kgまでという規定や、体長60cm以内という規定を設けられている場合があります。

また、日常的な移動は電車やバスを予定しているため、キャリーバックに入れ、連れ歩けるサイズでないと飼育が難しいという場合もあるでしょう。

 

もちろん飼育費用、医療費なども犬のサイズによって異なるので、小型犬を望む声もあります。

 

このように、成長時のサイズに何等かの制限があり、思いのほか大柄に成長してしまう事で、何等かの不具合が生じる場合には、ブリーダーや親犬のサイズ確認が可能なペットショップから、子犬の購入をするとよりリスクを回避できるでしょう。

 

可能であれば、購入前に両親や、前回までの出産で誕生した兄弟を見せてもらい、成長時のサイズの見込みをするとよいでしょう。しかし、あくまでも生き物であるので、必ずしも予定通りには成長が進まないという事は承知の上で飼育の可否を判断しましょう。

 

 

子犬のドッグフードの食事制限はハイリスク

生後一年未満の子犬にドッグフードを与える量の制限をしたり、安いほうがいいからと、きちんとした必要な栄養素を摂取できないドッグフードを与えたり、筋肉の発達をさせない為に、運動量の制限をすることは、将来の短命化、病気発症のリスクを高める大変危険な行為です。

 

特に食事量の制限は、子犬から生きる気力を失わせ、次第に食への関心が薄まり、低血糖を引き起こす場合もあるほどに危険な行為です。また、逆に過度な食事制限をする事で、食への強い執着が起こり、しつけや飼い主の指示を全く聞けない精神状態になってしまう場合もあります。

 

子犬の時は、必要とされる栄養素が摂取できるドッグフードを、毎日きちんと与え、適度な運動と社会経験をさせながら、無事に健康に成長できるようにしてあげる事が、何より大切です。

 

 

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