PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
犬を飼い始めると、まず、どの家庭でも「オスワリ」や「マテ」のしつけに挑戦することでしょう。ドッグフードやオヤツを与えるタイミングで、「オスワリ」「マテ」を一連の流れとして教えます。
子犬でも早ければ、1~2回の練習で身に着け、次からは、ドッグフードを入れたフードボウルを目にしただけで、自ら座ることもあります。
犬の中には、何より「食べる事」が大好きという食欲旺盛な犬種もいます。フレンチブルドッグやパグ、ビーグル、コッカーなどが代表的な犬種です。
食事の用意を察知した時や、飼い主が手に持ったオヤツに気が付くと、興奮しすぎてしまい、飛び跳ねる、飛びつく、中には催促をしようと吠えてしまう事もあります。
何とか食事やオヤツのタイミングを、有効に活用して、しつけトレーニングを…と思っても、あまりの興奮に、つい飼い主側が根負けしてしまう事や、手に噛みつかれてしまい、思わず無条件でオヤツを渡してしまう事もあります。
この様な様子を見て、飼い主の中には、この犬種は頭が悪い、うちの子はしつけがしにくい犬だと感じることもあるでしょう。しかし、本当はその逆です。決して頭が悪いわけでも、しつけの意味が分かっていないわけでもありません。
自分の「大好きな物」「どうしても欲しいもの」をいかに素早く手に入れるかを、犬自身が見出しているのです。「欲しい」「早く」と騒ぎ、飼い主を急かせ、催促する事で、無条件でもらえるという事を理解し、実行しているだけなのです。
また、目の前に「欲しいもの」が現れると、あまりにテンションが上がってしまい、自分自身が夢中になりすぎてしまう事で、飼い主の声が届かなくなっている状態でもあります。
ドッグフードやオヤツに対して、過度な執着や欲求を見せる性格の場合は、しつけトレーニングをする際のご褒美として、オヤツを与える事をまずは見直します。
オスワリやマテ、ハウスを教える時に、指示通りの行動が出来た事で、オヤツがもらえるという流れがこのような性格の子には通用しません。
目の前にドッグフードやオヤツが現れた時点で、我を忘れてしまうからです。「オスワリ」という言葉を聞くだけで、条件反射的に「オヤツがもらえる」と連想してしまい、あっという間にお座りをしなければいけない事を忘れてしまいます。
このようなタイプのわんちゃんには、まずは、食べ物を使わない方法で、しつけトレーニングを行い、飼い主の声に耳を傾ける事から身に着けさせましょう。
ドッグフードやオヤツなどの食べ物に代わるご褒美と言えば、散歩があります。散歩に行くときのリードやハーネスの着脱のタイミングを、上手に活用してみましょう。
1.愛犬がオスワリをした時に、ちょうどお尻と前足が収まるサイズのマットを用意します。
2.散歩という言葉やリードを見せるなどの方法で、愛犬に散歩に出る事を知らせます。
3.オスワリといい、マットの上に誘導し、マット上でのオスワリをさせます。
この時、マットの上に体が乗る様に手で合図をし、マットから体がはみ出している場合には、マット上に収まる様に移動してあげます。正しい座り位置がどこなのか、しっかりと教えます。決して、マットの横、マットからはみ出している状態で、「ヨシ」としてはいけません。しつけにおいては、曖昧さの積み重ねが後になって響いてきます。
4.マットの上で、お座りが出来たら、「マテ」と声をかけ、数字を声に出してカウントします。
まずは3秒、5秒と短い時間のかウントから始め、次第にカウント数を増やしてゆきます。
5.カウントが終わった時点で、愛犬が落ち着き、お座りの状態を維持していれば、リードを付け散歩に連れだします。
マット上でのオスワリ、マテが出来ない、マットの上に上手に乗れない場合は、マットを床から5~10cmほど底上げします。土台を作り、床との段差を作る事で、座るべき正しい場所を明確に理解できるように工夫をしてあげましょう。
このようは方法で、まずは飼い主の指示に従う事、お座り、マテの正しい方法を身に着けてゆきます。ドッグフードやオヤツを与える場合も同様で、マットを用意し、どこで座るべきか、いつまでマテをすべきかを明確に伝えます
また、ありがちな失敗として、愛犬が飛び跳ねるからという理由で、飼い主がドッグフードを入れたフードボウルを高く持ち上げている場合や、オヤツを高い位置にかざしている場合があります。
愛犬にお座りをさせ、飼い主が立ち上がっている場合も同様です。愛犬は、ご褒美が気になってしまい、条件反射的に飛び上がってしまうのです。「取られないように」と思って、高く掲げれば掲げる程に、かえって飛びつきを悪化させます。
ドッグフードを与える時は、飼い主がしゃがみ、犬が飛び跳ねずとも届く場所にフードボウルを持っていくことで、自然と飛び跳ねが収まります。毎日の食事の時に、目の前にドッグフードがある状態で、正しいオスワリの場所に上がる事、マテをする事を習慣にします。
小さな子犬のうち、飼い始めたうちにしっかりとしつけをし、行動の抑制を身に着けさせておかないと、将来「わがまま放題」「力づく」という事が当然だと理解した犬に育ってしまうので、しっかりとしつけを行いましょう。
オヤツを使用しないしつけトレーニングは、犬に良し悪しを理解させる事が難しく、プロのトレーナーでも苦戦するものです。難しい場合は、しつけ教室への参加やペットシッターへの相談なども活用するとよいでしょう。
_ おすすめ記事 _