高品質なドッグフードにも穀物が含まれているのはなぜ？

 

 

犬はトウモロコシや米、小麦などの穀物の消化が苦手だということが、近年、広く知られるようになり、穀物不使用のドッグフードを、様々なメーカーで作られるようになりました。

 

しかし、それがいつの間にか「穀物は悪だ」と思われるようになっているようです。
犬の先祖であるオオカミが肉食で穀物を食べない、穀物の消化が苦手、アレルギーを引き起こすという観点からきたようですが、本当のところはどうなのでしょうか。

 

 

ドッグフードの製造過程から考えてみる

一般的なドッグフードは、はじめに原材料を粉末状にして、その材料を練り合わせ、高圧発泡させ成形し、製造しています。しかし、高品質なドッグフードの場合、原材料を粉末状にはしないため、新鮮な生肉のみで成型するのは難しいことから、穀物を生肉との「つなぎ」として使用します。

 

ドッグフードに使用されている穀物の問題は「穀物」が使用されているかどうかではなく、適切な処理がされているかどうか…が、ポイントとなってきます。穀物には、エネルギー源となる「糖質」などが含まれており、この栄養素が、きちんと消化され、体内に吸収できるように、適切に処理されているかが、重要になります。

 

適切な処理とは、人間の食事で例えると、米の場合、殻がついたままで食べることはなく、そのままでは米をうまく消化できません。脱穀し、加熱処理をして食べます。つまり、適切に調理して初めて消化・吸収ができるようになるのです。

 

 

ドッグフードの原材料から考えてみる

使用されているその穀物が、安心安全に育てられてきたかという点。ドックフードを製造しているメーカーが、その穀物の栽培方法から関わり、こだわっているかということも大切です。

 

高品質なドッグフードを作るメーカーは、穀物が畑にある段階から責任をもち管理を怠ることはありません。産地、鮮度にも気を遣い使用しています。それらの原材料は、愛犬はもちろん、人間も安心して食べることができる安全なものであるはずです。

ドッグフードの原材料、食べることができますか？　記事はこちら

 

 

穀物の役割

穀物は、栄養学的にはエネルギー源として、位置付けられています。つまり、犬に与えてはいけない食べ物ではないということです。もちろん、穀物の消化を苦手とする犬にとって、穀物は多量に必要といえる原料ではありません。

 

穀物を主原料としているドッグフードでは、内臓に負担をかけてしまいます。しかし、穀物は、各種栄養を摂取するために利用される他、ドッグフードのつなぎとしての役割もあります。そこで、原材料の配合比率も重要となります。栄養源となる原材料のベストバランスが大切です。

 

～小麦～
タンパク質、ミネラル、ビタミンを含んでいます。

 

～白米～
玄米を精米し、ヌカ層を取り除いたものです。栄養豊富で、消化吸収率も良好な炭水化物源となります。低ミネラルです。

 

～玄米～
ビタミン・ミネラルを豊富に含み、炭水化物源になります。健康保持に不可欠な、必須脂肪酸であるリノール酸をはじめ、ビタミンEなども多く含んでいます。

 

～大麦～
小麦と名前が似ていますが、小麦とは異なる分子構造を持つ、別の植物です。食物繊維が豊富で、サツマイモの４倍、精白米の約１７倍、ごぼうの２倍も含まれています。さらに、大麦には、骨や歯を丈夫にするカルシウムが精白米の４倍も含まれています。貧血の予防効果がある鉄分は２倍、その他カリウムやビタミンB1も多く含まれています。

 

～ソルガム～
イネ科の一年草の植物です。必須アミノ酸を含み、ミネラルやビタミンB、食物繊維も豊富に含まれています。また、小麦粉に含まれるグルテンを含まないので、小麦アレルギーがある場合でも、問題なく食べられる低アレルゲンの食材です。

 

 

このように、穀物にも体に良い栄養が豊富に含まれています。その昔、オオカミが直接、穀物を食べなくとも、草食動物を捕食した際には、草食動物の体、胃などから、肉では補いきれない栄養を摂取していました。

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もちろん、穀物アレルギーを持つ犬もいるので、その部分においては注意が必要です。同じ犬種でもアレルゲンに敏感な子もいれば、食べ続けても特に問題のない子もいます。

 

どのようなドッグフードが最適なのか、それは１００頭１００通りです。「穀物＝悪」と考えずに、愛犬の犬種や年齢、体調などを考慮しながら、ドッグフードを選ぶと良いでしょう。

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