PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
私たち人間にA、B、O、ABと、4種類の血液型があるように、犬にも血液型が存在します。
しかし、人間と犬では血液型の表現は異なり、更に犬の場合は、13種類以上あるといわれています。
血液型は、血液に含まれる赤血球の表面にある抗原(こうげん)の種類によって決まります。
まずは、人間と犬の血液型の違いを、簡単にみてみましょう。
ABO式で分類されるのが最もポピュラーです。一般的なABO式は、人類最初の血液型として、ランチェスター博士によって1901年に発見された「ランチェスターの法則」でA型、B型、O型、AB型の4つに分類されます。
犬の血液型は1950年代中期に、はじめて見つかりましたが、人間と比べると、もっと複雑です。その数は、なんと13種類以上あると言われていて、今なお研究の途中にあります。
2007年にはダルメシアンから「Dal]という新しい抗原が発見されています。
現段階では、犬の場合はDEA式での分類が国際基準となっていて、9種類(DEA 1.1、1.2、1.3、3、4、5、6、7、8)に分かれています。
DEAとは「Dog Erythrocyte Antigen:犬赤血球抗原」の頭文字です。
人間の場合、1人の人間は1種類の血液型ですが、犬の場合は、1匹の犬に複数の血液型が並存することがあります。
人間の○○さんはAB型、△△くんはB型となりますが、犬の場合は、シロはDEA1.1+DEA3、ゴローはDEA1.1+DEA4+DEA5といった具合です。
人間の場合は、A型だったらこういう性格、B型の場合…など、血液型による性格の違いを耳にすることがありますが、犬の場合は、血液型で性格が左右されることはないようです。
もともと複数の決系型を並存していることが多いので、それらが性格に影響してくるとなると、かなり複雑なことになりそうです。
犬の性格は、生後3~12週に相当する社会化期の過ごし方によって、大きく影響を受けます。また、環境や犬種、しつけなどによっても変わってきます。
犬の血液型を詳細に分析するためには、検査機関に血液サンプルを送る必要があります。
ですが、DEA1.1という型に対して、陽性か陰性かを簡易的に調べる、血液型判定キットもあります。少量の採血で10分もあれば結果が出ます。気になる方は、かかりつけの動物病院に問い合わせてみましょう。
さて、血液型判定キットでは「DEA1.1という型に対して陽性か陰性か」という点のみを調べるのですが、このDEA1.1が陽性(+)か陰性(-)かが輸血の際は、とても重要となります。
人間の場合は、血液型やRH+-が完全に一致しなければ、血液型不適合による拒絶反応が出て、死に至るケースもありますが、犬の場合は、血液型を並存させているので、完全一致の血液型で輸血することはありません。
因みに犬種が違っても適合する血液であれば輸血は可能です。
初回の輸血であれば、他の型に対する抗体を持っていないので、拒絶反応が出ることは稀ですが、犬の特性上、2回目の輸血では拒絶反応が出るため、注意が必要だといわれています。
そして、特にDEA1.1型は、最も激しい抗原抗体反応を引き起こす血液型で、命に関わる危険性も高いことから、輸血の際はこのDEA1.1型が、陽性か陰性かだけは調べておく必要があります。
犬の血液型は複雑で、科学者たちも日々研究を重ねている分野です。2007年に新しい発見があったように、これからまだまだ新しいことが、出てきそうです。
ですが、何らかの事情で、輸血を受けなくてはならなくなった場合に備えて、DEA1.1型だけは知っておいたほうが、供血してもらう相手をスムーズに見つけることができます。
現在、一部の獣医師会や有志グループにより、輸血医療ネットワークが作られていますが、大規模な犬の血液バンクはありません。輸血が必要な場合は、動物病院にいる供血犬からの供与、多頭飼の場合は同居犬から等になります。医療用の代替血液を使用することもあります。
また、DEA1.1型を知っていれば「新生児溶血」(しんせいじようけつ)を防ぐことができ。安全な出産、子育てに役立ちます。新生児溶血とは、生まれたばかりの子犬の赤血球を、母親の母乳に含まれる抗体が攻撃してしまう現象のことです。
父犬DEA1.1型(+)×母犬DEA1.1型(-)の場合におこります。(この組み合わせで出産した場合も、生まれてすぐに子犬を母犬から離し、人工乳を与えれば予防できます。)
犬の血液型は、人間と表現方法も異なり、複雑です。
ちなみに、猫の場合はA型が95%でB型少数、AB型非常に稀、O型はゼロだそうです。チンパンジーはA型、B型、ゴリラはすべてB型となっています。
奥の深い犬の血液型、これを機会に愛犬が健康なときに一度調べてみてはいかがでしょうか。
_ おすすめ記事 _