PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
愛犬のシャンプーやお手入れを自宅で行う方が増える中で、シャンプー剤の選び方や、成分に関しても、注目が高まっています。
中でも無添加ドッグフードや無添加シャンプーなどの「無添加」という表記を目にすると、つい手にとってしまいがちです。犬用シャンプーの「無添加」の意味をしっかりと理解しておくと、よりよい製品を選ぶ事が出来るようになります。
意外に知られていない事ですが、実は犬用シャンプーには、原材料、成分表示の義務がありません。人間用シャンプーには法律で定められた義務があり、原材料、成分、使用にあたっての注意事項などが記載されています。
人間用シャンプーを購入するときに、パッケージに記載された原材料や成分値を確認し、購入を判断する習慣があまりないので、犬用製品を購入するときも、この記載の有無を気に留める方も少ないでしょう。
それは、危険であったり、有害な成分を使用していないという信頼関係が、無言のうちに成立しているからでもあります。しかし、犬の場合、この記載義務がないという事は、原材料の安全性については、メーカー任せという事でもあります。
犬用、ペット用という製品には法的な安全性の基準がない事もあり、飼い主がしっかりとその品質を考えて、製品を選ぶ必要があります。
犬用シャンプーを選ぶ時、「無添加」というキャッチコピーが目に付きます。
無添加という表記を目にすると、無条件に安全、高品質をいうイメージを抱きがちですが、犬用シャンプーの場合には、また別の意味もあります。
・香料が無添加の場合
シャンプーに、あえて香料を添加せず製造されている製品です。犬の中には、シャンプー後に体に自信以外の香りが残る事を、過剰に嫌う子もいます。その為、極力残り香がつかないように作られている製品です。
・発癌性物質などの危険成分が無添加
犬の健康を第一に考え、危険が考えられる成分を一切無添加で製造しているという意味です。実は、安価な犬用シャンプーの中には、成分が車の洗浄液と同一という製品もあります。洗浄力が強いので、よく落ちるシャンプーだと間違った評価をされる事もありますが、犬の健康を考えた場合、大変不安を感じます。このような驚くべき製品がある事から、あえて有害物質が無添加である事を主張する必要があるのです。
犬用シャンプーを選ぶ時、製品パッケージに詳細な原材料表示がされていないので、いったい「何が」無添加なのかわからないという意見があります。その為、数ある無添加シャンプーの中から、どの製品を選んだらいいのかと迷ってしまいます。
そのような時は…
・トリミングショップが業務用に使用している製品と同銘柄の製品を選ぶ
・信頼出来る発売元が発売している製品を選ぶ
この2つが目安になります。
トリミングショップでは、トリマー1人当たり一日4~5回のシャンプー作業を行います。この作業が毎日続くのですから、当然の事ながら、慢性的な手荒れも起こります。そこで、出来る限り手荒れをふせぎつつ、お客様のペットを綺麗に仕上げるかを考えます。
その為、日々の業務で使用するシャンプーは
・皮膚に刺激が少ない事
・洗い上がり、泡切れがいい事
・過度な残り香がない事
・価格が適正な範囲内である事
を基準に選びます。
単に価格だけでシャンプーを選んでしまうと、ひどい手荒れを起こしたり、ペットの汚れが落ちにくい、洗い上がりの仕上がり感がよくないなど、プロとして納得のいかない結果を招いてしまいます。
その為、それぞれのトリミングショップがシャンプー選びに関しては、こだわりを持っているのです。
トリミングショップで使用されているシャンプーの多くは、店頭で家庭用サイズとして販売されています。一見、高額に思える価格設定の製品もありますが、希釈して使用する製品の場合が多く、実際の使用回数に換算すると、決して高くはありません。
また、シャンプーは飼い主の香りの好みも、重要な選択肢の一つです。そのような時の判断材料になるのは、取扱企業やメーカーの信頼度です。実は、ドッグフードメーカーがシャンプーの製造や輸入販売も手掛けている場合や、アパレルメーカーがシャンプーの販売を行っていることもあります。
もちろん、高品質なドッグフードを扱っている企業やメーカーであれば、自社で扱うシャンプーに関しても同様にお客様の信用を得られるように、高品質な製品を扱います。その為、製品の販売元を確認する事で、そのシャンプーの安全性を判断するという方法もあります。
シャンプーを選ぶ時に、無添加と同等に目に付くキーワードがあります。それは「洗浄力」に関する言葉ではないでしょうか?
例えば「白毛用」「ディープクレンジング」といった表現です。このような言葉を目にすると「無添加、低刺激」の製品と、いずれを選ぶべきか迷うことでしょう。
このような高洗浄力の製品は、一度のシャンプーで被毛表面の汚れを落としきる事が出来るというメリットもありますが、犬が本来保持すべき皮脂も一緒に洗い流し過ぎてしまうというデメリットもあります。その為、シャンプーの使用方法に工夫をしてあげるとよいでしょう。
・高洗浄力の製品の使用頻度は、多くても月に一度程度とする
・高洗浄力の製品は足周り、首輪周り、口周りなど汚れの目立つ部分にのみ使用するようにし、体全体は低刺激の無添加シャンプーを使用する
・皮膚にかゆみ、フケ、あかみ、脱毛など不調がある時は、高洗浄力製品を使用しない
・高齢になり、皮膚の機能が低下している場合は、通常の濃度よりもさらに薄く希釈して使用する
・高洗浄力製品を使用した後に、手足を舐める、体をかゆがるなどの不調が見られた時は、すぐに使用を中止する
トリミングショップにシャンプーを依頼すると、洗い上がりはしっかりと汚れが落ちていて、毛並みもふわふわに仕上がっています。これは、トリミングショップが洗浄力の高いシャンプーを使用しているからではなく、ペットの皮膚、被毛を丁寧に洗っているからです。
愛犬をシャンプーする時は、体の表面だけを洗うのではなく、被毛の根元、皮膚、耳の裏側などの部分も丁寧に洗い上げる事がポイントです。また、ドライヤーも被毛の根元にしっかりと風を当て、十分に乾燥させるように仕上げましょう。
散歩などで汚れが気になる時、愛犬の体臭が気になる時は、安易に洗浄力の高い製品を使用するのではなく、無添加、低刺激のシャンプーを使用し、シャンプーの頻度を高める、丁寧に洗いあげる方が、改善効果が高まります。
このように犬用シャンプーの「無添加」という表記には「何を」という背景がある事を知っておきましょう。また、中には自社製品の安全性、品質を飼い主に伝えるために、原材料、成分の全てを記載するという取り組みをしているメーカーもあります。
愛犬の健康を考え、より安心、信頼の出来る製品を選んであげましょう。
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