PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
国産VS外国産 無添加で信頼できるドッグフードは?
現在、さまざまなドッグフードが店頭に並び、ペットの健康志向の高まりを受け、原料や食材にこだわった高品質な商品も登場しています。
中でも添加物を使わない無添加のドッグフードは、愛犬の健康を食事の面から考える愛犬家たちの間で、日増しに認知度を増しています。また、消費者のニーズに敏感なメーカー各社は、当然のように無添加ドッグフードの開発に力を入れ、その結果、さまざまな無添加ドッグフードが市場に出回るようになりました。
その中には、国内産のものはもちろんのこと、アメリカやヨーロッパなど、いわゆるペット文化・産業先進国と言われる欧米各国でつくられた無添加ドッグフードも目にすることができます。
選択肢が多いという事は、飼い主にとっても愛犬の体質や好みに合った商品を選べるという意味では嬉しいことです。しかし、その反面、どれも魅力的に見えてしまい目移りしてしまうこともあります。
キャッチコピーに惑わされない
数ある商品の中から良質なドッグフードを見つけるにはどうすればよいのでしょうか。
これはあくまで一つの目安ですが、品質に自信のあるメーカーほどパッケージはあえてシンプルなデザインに抑える傾向があります。一見すると、派手なキャッチコピーやパッケージデザインによって彩られた商品に目がとまりがちですが、そのような商品の中には、イマイチな商品の品質を言葉で誤魔化そうとしているのでは?と疑わしいものも、チラホラと見受けられるため注意が必要です。
もし、商品の成分表示欄に馴染みのないカタカナや記号が並んでいるようなら、その商品の品質には、ちょっと疑問を持った方がよいかもしれません。
よく無添加と並んで注目されるキーワードとして”ヒューマングレード”(人間でも食べられる水準)の食材を使用しているかどうかということがあげられますが、本当に私たちにとってなじみ深い食材を使用している商品なら、原材料の欄にも耳馴染みのある食材名が数多く並んでいるはずです。
国産ドッグフード vs 輸入品ドッグフード ~安全基準の違い~
では、国産品と輸入品との間に品質の上で差はあるのでしょうか。
例えば、ペット先進国の一つアメリカの現状をみてみると、食品医薬品局(FAD)とアメリカ飼料検査官協会(AAFCO)という、2つの団体がドッグフードの製造販売に関してそれぞれ独自の基準を作っています。
そこでは、ドッグフードに使用された原料や添加物をひとつひとつ明記することが求められるなど、厳格なルールが定められています。
日本でも2008年から、ようやくドッグフードに関する安全基準が整備され始めましたが、アメリカなどと比べ、まだまだ不十分だと言わざるをえないでしょう(実際にアメリカでは使用を禁じられた添加物の使用が日本では認められているという例もあります)。
しかし、国産のドッグフードがすべて外国産のドッグフードに劣るというわけではありません。
添加物に関する基準がアメリカなどと比べ甘いと言っても、すべてのメーカーがその基準ギリギリの商品を製造しているわけではなく、中には、不要な添加物を使用しない無添加のドッグフードを販売するメーカーも存在します。
これらの商品は、日本よりも厳しいとされる外国の基準さえ十分クリアする高品質なものであり、世界水準のドッグフードとして外国産のものと比べてもまったく引けをとらないものです。
また、外国製のドッグフードには、輸入品ならではの注意点がいくつかあります。
日本ではドッグフードは食品ではなく雑貨!?
普段の生活の中で、食品に関して「国産品=安全・高品質」といったイメージをもつ方も多いのではないでしょうか。それはもちろん、生産者の方の努力も大きく関わっていますが、国産食品が軒並み高い品質を維持できているのは、普段お店に並ぶ日本の食品がどれも法律で定められた厳格な基準をクリアしたものばかりであるためです。
では、ドッグフードに関してはどうでしょうか。やはり国産のものはどれも高品質と考えてよいのでしょうか。残念ながら現状では、そう断言することはできません。
それを端的に示す例として、日本のドックフードは分類上は「雑貨」として扱われているという事実があります。普段、愛犬が口にする食べ物がお肉やお魚と一緒ではなく、文房具や洗剤と同じジャンルの商品として店頭に並べられていると聞くと驚いてしまいますが、実際にそのような取り扱いがなされています。
当然ながら、私たち人間用の食材が、雑貨として扱われることはなく、少なくとも日本では、食品衛生法という法律の適用を受けます。これは日本国内における飲食による危害の発生を防止するための法律で、食品と、それに用いられる添加物についての基準、表示、検査などの原則を定めたものです。
ですが、ドッグフードの場合は残念なことに、現状では「食品衛生法」の適用対象外とされ、食品であれば禁止されている添加物の使用も容認されているのが実情です。
その結果、ドッグフードは人用の食材と同列には認められず、農水省や環境省などの管轄下で「飼料」として、販売店では「雑貨」として取り扱われているのです。
国産ドッグフードと外国産ドッグフードで信頼性が高いのはどっち?
これに関しては、さまざまな意見が交わされています。よく耳にするのが、日本よりもはるかに厳しい基準に基づいて製造されてるという理由で、輸入された外国産のドッグフードを推奨する意見です。
確かに、かつては、欧米がペットの権利意識において日本の一歩先をいく時代がありました。しかし、今や日本でも900万頭を超える犬たちが家族の一員として生活を共にしており、犬にまつわる権利意識もペット先進国と呼ばれる国々と比べて遜色のない水準まで高まってきたといえるでしょう。
また、それに伴ってドッグフード市場も拡大し、メーカー間の競争も日を追うごとに激しくなっています。その結果、特色あるドッグフードが多数登場し、特に近年では、「無添加」「ヒューマングレード」「犬種別」「アレルギー対策」といった高品質を売りにした商品が一大トレンドを形成しています。
参入するメーカーが増えれば、当然、品質に疑問符がつく商品を扱う業者が登場する可能性は否めませんが、その一方で、多くの飼い主から信頼を寄せられる大手メーカーや、志の高い新興メーカーらが中心となって、世界に誇る高品質なドッグフードが国産品として販売されているのも、また紛れもない事実です。
ドッグフードは生産国ではなく生産者(メーカー)で選ぶ時代?
国産品の中にも外国産のドッグフードに負けない品質を誇るドッグフードが多数登場してきています。そのような現状を踏まえると、「国産品か輸入品か」という議論は、もはやあまり意味を持たないのかもしれません。
国産ドッグフードか輸入品か? 確認したい4つのポイント 記事はこちら
むしろ、より大切なのは、飼い主の方ひとりひとりが、キャッチ-な売り文句に惑わされることなく、手に取った商品ごとの品質を冷静に見極めていくことなのでしょう。
まずは、「自分にとってなじみ深い食材が多く使われているものを選ぶ」「聞いたことのない素材が多く使われているものは選ばない」ということを頭に入れておけば、それだけで危険なドッグフードを選ぶリスクをグッと減らすことができるはずです。
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