PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
最近では人間のみならず、愛犬の健康を考えて無添加の商品を選ぶ人が増えています。無添加のドッグフードに、無添加のシャンプーなど、様々な犬用の無添加商品が販売されています。
では、無添加がよいからと、愛犬に無添加の人間用シャンプーを使っても大丈でしょうか? 原材料や成分が不明な犬用シャンプーを使用するより安全では?と考える事もあるでしょう。
しかし、人間用の無添加の食事を愛犬に与えるのは好ましくないのと同じく、シャンプーも、どんなに安全性の高い無添加製品であっても、人間用シャンプーをおすすめする事は出来ない理由があります。
人間と犬とでは、その皮膚被毛の構造が大きく異なります。その為、愛犬に高品質な製品だからと考え、人間用シャンプーを使用してしまうと、皮膚トラブルを引き起こす危険性があります。
犬の皮膚は人間の皮膚の1/10程度の厚みしかない構造をしています。その為、人間の皮膚の表面を洗い流す事を前提に製造されたシャンプーは、犬の皮膚を洗い流し過ぎてしまいます。
人間の場合、髪の表面や毛穴の汚れ、頭皮そのものの汚れを根こそぎ洗い落とす事を目的としていますが、犬の場合、あえて皮脂を残す事で皮膚のうるおいを保ち、乾燥を防いでいます。
この違いは非常に大切で、皮膚表面が過剰に乾燥した状態になってしまうと、かゆみやフケ、湿疹などの症状を起こします。過度なかゆみは、犬が掻き壊し、別の症状へもつながるという悪循環を引き起します。
この違いは非常に大切で、皮膚表面が過剰に乾燥した状態になってしまうと、かゆみやフケ、湿疹などの症状を起こします。過度なかゆみは、犬が掻き壊し、別の症状へもつながるという悪循環を引き起します
この為、高品質な無添加のシャンプーであっても、人間用の製品は犬には不向きといえるのです。
人間用ボディソープのテレビCMなどで「弱酸性」という言葉を耳にする事があります。この言葉は赤ちゃん用の低刺激製品のアピールなどによく用いられています。また、大人向け製品であっても、製品の刺激の弱さ、安全性をアピールする場合に多用されます。
この言葉の通り、人間の皮膚は弱酸性の保つ事が理想とされ、シャンプーやボディソープで洗浄をした後も適度な保湿効果を保ち、一定の数値を保てるように工夫されています。
一方、愛犬の皮膚は、弱アリカリ性です。つまり、人間の皮膚とは真逆の性質を持っています。犬用のシャンプーは、この弱アルカリ性の状態を保つ事が出来るように洗浄成分を研究し、開発されています。
つまり、人間用の製品は、たとえ無添加であったり、赤ちゃん用の低刺激な製品であっても、犬には刺激が強すぎてしまうという事になります。
人間用のシャンプーで愛犬を洗うという事は、犬の皮膚が一旦弱酸性の状態になり、その後、自らの機能で元の弱アルカリ性に戻さなければならないという事でもあり、皮膚の敏感な体質の犬の場合、相当なストレスがかかる事になります。
その為、人間用製品を犬に使用する事が不向きといえるのです。
人間用シャンプーには、洗い上がりに適度な香りが残り、またその香りが持続するように工夫がされています。
しかし、犬は本来自分の体から、自分自身以外の臭いがする事を苦手と感じます。それは、本能的に敵に自分の存在を知らせてしまう危険な行為だと考えるからです。
その為、犬の嗅覚では、人間用の強い残り香は大変不快なものと言えます。
中には、シャンプー後にあえて体を汚れたベッドや地面こすり付け、その香りをごまかそうとする犬もいるほどです。
また、人間用シャンプーに配合されているトリートメント成分も犬には不要な要素です。この成分がある事で、人間の髪は手触りがよく洗い上がりますが、犬の皮膚、被毛にこの成分が付着すると、自身の皮脂を合間って、過剰な油分を帯びる事になります。
過剰な油分は皮膚の代謝を停滞させてしまい、皮膚被毛のべた付きを起こし、皮膚トラブルを引き起こします。
犬用シャンプーは、犬に極力負担を掛けずにシャンプーを終える事が出来るようにとシャンプー後のすすぎが短時間で済むように工夫されています。
この泡切れがいかにスムーズに済むかも、プロのトリマーがシャンプーの銘柄を決める時の判断基準になるほどに重要な点です。
安価な犬用シャンプーの中には、車の洗浄液と同じ成分のものを犬用パッケージに入れ替え市販されているものもあります。この場合、シャンプー後の泡切れがあまりに悪く、なかなかすすぎが終わらないという事になります。
同様に、人間用シャンプーも洗い上がりのしっとり感を大切にする点から、犬専用に比べ洗い上がりがいいとは言えないでしょう。
その為、シャンプーのすすぎに時間がかかる、洗った後もふわふわとした仕上がりにならない、ドライヤーをしてもなかなか乾かないという事になります。
特に老犬や子犬の場合、シャンプーが体力的に負担になる事やシャンプーが苦手な事もあるので、出来る限り泡切れがよく、短時間で済ませる事の出来る製品を選んであげるとよいでしょう。
このようにシャンプーを選ぶ時は、人間に向けて作られた「無添加」「高品質」の基準が必ずしも、犬にとって最良の物かというとそうではないという事を知っておいてあげることが大切です。犬には犬用の「無添加」「高品質」なシャンプーを選びましょう。
_ 関連記事 _