PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
動物病院で「様子はどうですか?」と聞かれたときに、「元気です」「食欲が…」と答えることはよくあります。では「ウンチはどうですか?」と聞かれたときに、すぐに答えることができますか?
ウンチは、健康のバロメーターです。元気な時にも、体調が悪い時にも、まず第一にウンチに変化が現れます。最近、いつわんちゃんの「ウンチ」の状態をチェックしましたか?
1)まずは、硬さ
健康なウンチの硬さは、「つかんだときに、形が崩れない」程度です。拾い上げるときに、トイレシーツや地面にウンチが残らないことも目安です。
2)色やにおい
色はこげ茶色が標準です。明るい茶色や黄色に近い色や、真っ黒などは胃腸に不調をきたしているサインです。また、離れた場所でもわかるほどに強いにおいがするとき、留守中など、室内でウンチをしたあと、時間がたっても部屋ににおいが充満しているときも要注意です。
3)回数
目安は、食事の回数と同じ、もしくは+1回程度です。少量のウンチを何回もしてしまう場合や、一度にウンチを出し切らず、散歩中になんども立ち止まる場合はウンチが柔らかく残量感があるのでしょう。ウンチをした後に、おしりを引きずって歩くようなしぐさが見られたり、ウンチをするのに時間がかかる、なんどもしゃがもうとする時も同様にすっきり感がないからです。健康なウンチなら、一度ですべて出し切ることができます。
あるメーカーA社は、自社の製品を食べると、ウンチはしっかりと固まった少量なウンチになります…とアピールをしています。なぜでしょうか? ドッグフードの中に、ウンチを凝固させるための成分、添加物が入っているからです。硬く少量のウンチは飼い主がウンチを片づけるときに手間がかかったり、不快な思いをすることがないようにという配慮だそうです。
あるメーカーB社は自社の製品を食べるとウンチは軟らかく量も多くなりますといいます。理由はフードを作るうえで、肉の比率を多くし、穀類の比率を下げているからだと言います。わんちゃんが消化できない穀類(おもに雑穀やとうもろこしの粉末など)を最低限に抑えることで、より良質なドッグフードに仕上げているからだそうです。
あるメーカーC社は自社の製品を食べるとうんちの量は減り、匂いも軽減されるといいます。良質な原材料を使用し不要なものはほぼ使用せず、栄養分を吸収しやすく仕上げているから、排泄物も少なく、腸内環境が整うため匂いも軽減するのです。
手づくりのごはんを与えている場合、ウンチの量は多かったり少なかったりとまばらでしょう。素材によって吸収率が異なりますから、ウンチの量にもばらつきがでるのです。
ウンチがあまりにも黄色くて驚いた…食べさせた缶詰と同じ色のウンチをした…という経験はありませんか? ドライフードやおやつにカラフルな色がついている商品があります。かわいらしく成形され、野菜は野菜の色に、お肉はお肉の色に着色されています。また、缶詰は明るい茶色やカラフルな野菜の色になっていることもあります。でも、これらの着色料はそのままの色でウンチまでも着色してしまうのです。この着色料が健康上、何を意味しているか考えてみてください。
ウンチのやわらかさにも段階があります。動物病院へ相談する際には「どのくらいのやわらかさ」なのかを伝えることが大切なポイントです。
・かろうじて形はあるものの、つかんだら、形が崩れてしまう
軽度の体調不良でしょう。ドッグフードを切り替えたり、外出などで疲労感があったり、何かストレスがあったりと思い当たる点はありませんか? まずは体調回復のためにも、十分な休養をとらせてあげましょう。季節の変わり目にもみられることがよくあります。
・べチャッとしていて、ウンチの形がない
食生活で思い当たる点はありませんか? ドッグフードを切り替えたり、異物を食べてしまったり、大量におやつを与えてしまったり…。2~3回続くようであれば動物病院で相談をしましょう。
・水状に柔らかい
緊急性の高い症状と言えます。ウンチと一緒に大量の水分も出てしまっているので、子犬や小型犬、シニア犬であれば脱水症状を起こしてしまう場合もあります。原因は消化不良の場合や寄生虫や胃腸の病気など様々ですが、すぐに検査の必要があるといえます。
いずれの場合もウンチの中に少量でも血液が混ざっていた場合は「血液の色」を確認しましょう。赤い鮮血? それとも黒い塊のような血? 血液の色によって体のどの部分からの出血なのかを判断できるからです。
言葉を持たない家族との生活は、私たちの思いとは違う結果に結びついてしまうこともあります。ですが、大切だと思う気持ちには変わりがありません。日ごろから、私たちにできることは「安心して食べられる食事」を用意してあげることです。まず商品のパッケージに書かれている内容を必ず確認しましょう。かわいらしいパッケージや犬種別の表記よりも先に「成分表示」の確認が大切です。良質なたんぱく質が主原料になっていますか? 効率よく、栄養バランスの整った食生活にドッグフードは欠かせない存在です。安心、安全なドッグフードを上手に活用して健康な毎日を過ごしたいものです。