PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
最近、あまり食欲がないみたい・・・と感じたら。まずは健康チェックを!
うんちは健康のバロメーターです。いつものうんちよりやわらかくて形が崩れてしまったら、やや軟便気味…胃腸の調子が悪いのかもしれません。
草を食べるのは、胃の不快感や消化不良を起こしているからです。また胃の中に異物があり、わざと草を食べ、草と一緒に吐出そうとしている場合もあります。飼い主さんが気づかぬ間に、誤飲をしている可能性はありませんか?
嘔吐した後、嘔吐物を食べようとした場合は問題ありません。しかし、口にしようとしなかった場合、体が食事を受け付けないという病気のサインです。
どんな犬もまったく食欲がないということは、異常事態です。ドッグフードのみならず、好きなおやつなどにも関心をしめさない場合、ただのわがままだと思わないであげてください。
もし1つでも当てはまったら何かしらの病気のサインかも知れません。動物病院を受診し、早期のケアをしてあげましょう。しかし、どれも当てはまらない場合、原因は飼い主さんにあるのかも…?
・ふりかけや缶詰などで、味を変えている。
・おやつをとりあえず与え、空腹を満たしている。
・別のメーカーのフードに切り替えている。
こんな対処をしたことがありますか? これらはすべて、「やってはいけないこと」「間違った対処法」です。
ペット業界関係者の間でよく使われる言葉で、日本の飼い主さんのドッグフードへの考え方を揶揄した表現であり、とても恐ろしい意味をもつ言葉です。フードジプシーとは、ドッグフードの銘柄を一定のブランドに定めることなく、次から次へと新しいフードを渡り歩くことを言います。新商品が店頭に並んだら…、愛犬がフードに飽きて食べなくなってしまったら…、1袋食べ終わったら…、次のブランドへ切り替えを…と飼い主さんは思っていても、犬にはいつが切り替えのタイミングなのか理解できていませんから、ある日突然、主食が全く違うものに変わってしまうのです。
フードジプシーの問題点は、フードの切り替えを気軽にとらえてしまっていることです。今まではラム肉のフードだったので、次は鶏肉、次は馬肉…と明確な理由もなく変えてしまうのです。しかしフードの銘柄が変わるということは、風味も使用されている添加物も粒の形状もすべてが変わってしまうのです。人でも毎日食べている白米の代わりに、ある日突然、まったく未知の食材を出され、今日から主食ですと言われた場合、どのような状況におちいるでしょう。まずは、新しい主食の安全性を考えることでしょう。味も風味も未知の食材ですから、食べても大丈夫? いつまでこの主食は続くの? といろいろな事を考えることでしょう。しかし新しく出された主食にやっと慣れはじめたころ、また突然、次なる新しい主食に切り替わってしまうのです。
このような、犬にとって理解不能なフードの切り替えを繰り返すことで、愛犬はある種の勘違いを起こしてしまいます。飼い主さんが理由不明なフードの切り替えを起こすなら、自分も理由不明なフードストライキを起こしてもいいのだと思ってしまいます。今朝はしっかりと完食したものの、夜になったらまったく口をつけなくなってしまった。ふやかしたり、缶詰をのせたりしたものの見向きもしない、理由不明のフードストライキが起こります。この場合も、わんちゃんにはわんちゃんなりの理由があるのでしょう。その理由を飼い主さんが知り得ないというだけのことです。「食べなくなってしまったから」次の銘柄に切りかえをという対処を繰り返していくと、愛犬が2~3歳になるころには市販のドッグフードはすべて与えきってしまうでしょう。店頭販売品も通販品も名だたるドッグフードを制覇した時、次にどのような選択肢が残っていますか? 犬の寿命は10年を超える時代です。一生涯フードジプシーを続けることは、愛犬にとっても、飼い主さんにとっても大きな負担となります。
フードジプシーに陥る飼い主さんの多くは規則正しい時間に分量を決めて与えている場合が非常に多いです。しかし、犬は毎日一定の食欲を維持し続けるわけではありません。人間でも食欲の増減は日々ありますよね? 1歳を過ぎ、成犬になったあとは食欲も驚くほどに安定し、減退する時期がやってきます。そのタイミングで下のことを決めるとよいでしょう。
・今後、成犬期に与えるドッグフードの銘柄を決める
・個々の理想体重の確認をし、フードパッケージ記載の給餌量ではなく、理想体重の維持を大前提と考える
・食事の時間、回数の見直しをする
また、どんなに良質なドッグフードを与えていても、必ずフードストライキは起こります。その原因をいくつかあげてみましょう。
毎日同じ時間、同じ量の食事が無条件で給仕されることでの食に対する危機感の喪失。中には、置きっぱなしにしてしまい、常にお皿の中にドッグフードが入っている状態もあるでしょう。
犬の缶詰やおやつに含まれる添加物には着色料、保存料よりも、もっと恐ろしい食欲増進剤が入っているものがあります。それらは缶を開けただけ、おやつのパッケージを開けただけで犬が興奮するほど喜ぶのです。その刺激はドライフードの比ではありませんから、味の濃い食べ物に慣れてしまうと、ドライフードは無味にすら感じる味覚障害を起こしてしまうことでしょう。危険なドッグフードにご注意を!
日本の犬の大半は運動不足による肥満傾向にあると言われています。犬達は本来必要な運動量をこなせていませんから、もちろん空腹になる事もないのです。
大切な愛犬の健康維持のためにも、飼い主さんの負担軽減のためにも、フードストライキが起こってしまった場合には、強硬姿勢で臨みましょう。
・フードを置き、直後に口をつける、食べ始めることがなければ、すぐにさげてしまいましょう。
次の食事の時間になるまで、水以外、食べ物は何も与えません。
・フードの量を減らしてしまいましょう。
食べてはいるものの、1粒ずつだらだらと食べている、遊びながら食べているような場合、フードを食べ残してしまう場合などには、思い切って給餌量を半分に減らしてしまいましょう。フードは残さないことが大切です、完食出来る量まで減らしてしまいましょう。
・毎日同じフードを、同じ状態で与え続けましょう。
トッピングをするなど手を加えることは、ドッグフードの切り替え行為と同じことで、毎回何かしらの手を加えなければ食べないということに繋がってしまいます。ドライフードをそのままの状態で与えましょう。
このような強硬姿勢に出た場合、わんちゃんによっては、何日もフードを食べないという状態が続き、飼い主さんとの根競べになるでしょう。しかし、根競べの期間が長ければ長いほど、いかに今まで間違った事をしていたかということなのです。 食べなければ新しいもの、もっと味の濃い、おいしいものが出されると愛犬に期待をさせてしまっているからです。ここでもし飼い主さんが折れれば、また元のフードジプシーにもどり、同じことの繰り返しになります。今回の根競べは3日目で飼い主さんが折れた場合、次の根競べには1週間かかり…とその期間もどんどん長くなることでしょう。
大切な愛犬が次から次へと味の濃い、添加物の多いフードを追い求めてしまう事にならないように、是非ここで根競べに本気で挑み、ドッグフードのお悩みを解決しておきましょう。