犬が流す涙の理由

 

犬も人と同じく悲しい時や感動した時に涙を流すの？

犬にも沢山の感情があります。もちろん「悲しい」という感情も…。ただ、人間のように「悲しい」「感動した」という気持ちを涙で表現することはないと言われています。犬の場合は、涙ではなく、その姿から読み取ることが出来ます。嬉しくて感動した時は尻尾をちぎれんばかりに振って、体を使ってその喜びを表現してくれます。また、逆に悲しい時は、ほっぺがだらんと力なく下がり、うつむいて背中を曲げていることでしょう。

 

 

では、どのような時に犬は涙を流すのでしょう

多くは、目にゴミが入ってしまった時です。人間も目に異物が入ったときに涙が出ますが、犬は人間のように手を使ってゴミを取ることは出来ません。そのため、生理現象として、一時的に大量の涙を流し、異物を洗い流そうとしているのです。ゴミが入った時は一時的に涙が出ても、その後は元に戻ります。

 

犬の涙は病気のサイン？

ゴミが入った時は一時的に涙が出ても、その後は元に戻りますが、いつまでも涙を流したり、度々涙を流すような場合は「結膜炎」「角膜炎」などの病気が考えられます。このような時の涙は濁っていて、黄色い膿のような目ヤニも出ます。「伝染性肝炎」や「ジステンバー」が原因となっている可能性もあるので要注意です。すぐに動物病院で診てもらいましょう。

 

また、チワワ、シーズー、パグ、フレンチブルドッグなど、目が少し飛び出している犬種は目に傷がつきやすく、その傷が炎症を起こして「流涙症」になり、涙を流していることがあります。元々、目が大きな犬種、飛び出している犬種は目を保護するために涙の分泌量が多くなっている上に、涙の管が複雑に曲がっているため管が詰まりやすく、「流涙症」にもなりやすいのです。

 

その他、ドッグフードが原因で涙が出てくる管が詰まってしまい、溢れ出た涙が涙やけを起こしてしまうケースも考えられます。質の良くないドッグフードを食べていると管を詰まらせる原因となってしまいます。その場合は上質のドッグフードに切り替えることで改善されることがあります。

 

犬の涙は健康状態からくるもの

このように、犬の涙は「感情」からくるものではなく「健康状態」からくるものと考えられています。犬が涙を流していたら、そっと拭き取ってあげ、目にゴミなどの異物が入ってないかチェックしましょう。拭き取るときには、涙の色や目ヤニもあわせてチェックし、病気の可能性がないかも同時によく観察し、見てあげましょう。

 

 

犬の感情と涙

とはいえ、感情により涙を流すシーンに遭遇したことがある飼い主さんやそのような話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか？

犬の脳の研究はかなり進んできており、様々な国の研究で犬の感情や言語処理能力などの結果が出ています。しかしながら「感情と涙」については、まだ立証はされていないようです。

これに関しては、獣医さんの間でもその意見は分かれているようです。犬に悲しみなどを共有出来る能力があることはすでに研究により判明しています。それが「涙を流す」ということに繋がっても不思議ではありません。もしかしたら、まだ研究者による研究結果が出ていないだけで、飼い主さんが見た愛犬の涙は感情による涙なのかも知れません。犬の感情と涙の関係性は現在も研究が進められています。

 

 

 

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