PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
その答えは半分「Yes」、半分「No」です。実は、犬の鼻は一日の中で感情の変化や運動の有無などにより、濡れたり、乾いたりを繰り返しています。犬の鼻の表面にある汗腺と鼻の穴の入り口近くにある分泌腺で犬は常に鼻を濡らせるようになっています。犬は人間より嗅覚が優れているのはご存知の方も多いことでしょう。人にはわからないわずかなニオイを嗅ぎわけ、おやつやドッグフードを入れている棚の前でお座りをして待っている…そんな話もよく聞く話です。犬の嗅覚は五感の中で一番優れた能力を持っています。実際、犬の嗅覚は人間に比べ100万倍以上も優れいると言われており、犬の鼻が濡れているのはその臭覚を正常に保つためとされています。
それは、空中にあるニオイの分子は水に溶けやすいため、鼻が濡れていると、よりニオイをキャッチしやすくなるからです。他には、運動により体温が高くなると分泌量が40倍にも達することから、犬の熱放散の働きの一助をしているとも考えられています。
前記の分泌腺は「交感神経」という神経と「副交感神経」という神経の双方の神経の支配を受けています。「交感神経」は動的な神経で、運動したとき、興奮したとき、緊張したときに活発に働きます。「副交感神経」はその逆で静的な神経です。眠っているとき、リラックスしているときなどに働きます。つまり、乾いているからといって、それだけで具合が悪いとも判断は出来ません。リラックスしている時や睡眠時、食後内臓が働いている時などは乾きやすい傾向にあります。犬が目覚めたときに、ペロッと鼻を舐める仕草をするのは、この為です。
犬の鼻が濡れている原因が多量の透明な鼻水だった場合は、「気管支炎」や「軽い鼻炎」の可能性もあります。膿のように粘着性のある場合は「膿性鼻汁」も疑われます。
鼻の乾燥とひび割れは「ジステンバー」「顔面神経麻痺」が疑われることがあります。特にジステンバーは高熱も伴います。その他、元気だけれど鼻がひび割れてきた場合は「角化症」の可能性もあります。人間で例えると、肘やかかとがガサガサになったりひび割れたりする人と同じような症状です。
犬の角化症の場合は、体質的な場合と、何かしらの皮膚病から角化していく場合があります。膿皮症、アトピー性皮膚炎などの湿疹が原因で角化症になるケースが多く、食物アレルギーを持っている犬も注意が必要です。角化症の場合は、シャンプーや保湿など、その他の場合も原因に合わせた治療が必要になってきます。自己判断で保湿剤を塗ると悪化の恐れもあるので、獣医師に相談して治療方針を決めていきましょう。
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犬にとって臭覚は重要なので、鼻が濡れていることが通常の状態と言える事は間違いありません。しかし、濡れているから健康、乾いているから病気、とも言いがたいのです。犬の鼻はひんやりと、程よく湿っているのがベストです。鼻の状態とともに、食欲や便の状態なども一緒に観察してあげましょう。