PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
ペットショップへ足を運ぶたびに、ペット関連のサイトを見るたびに、新発売のドッグフードを目にしてはいませんか? つい半年前まで食べさせていたドッグフードはもう販売終了となり、新しい商品が並んでいます。しつけの面からは、ドッグフードを頻繁に切り替えることは好ましくないと言われるものの、店頭にはいつも新商品が並ぶのですから、大変困る問題です。
ペット業界では、一般的に春と秋の2回、新商品を一気に展開するタイミングがあります。年に2回と聞くと、人間のアパレルに比べ展開の頻度が低いようにも感じることでしょう。ですが、ペットの場合、この2回で半分以上の商品が入れ替わります。
また、ペット業界では、ヒット商品のサイクルも非常に短く設定されていて、大抵の商品は、一旦店頭に並べたあとは再入荷をしません。メーカーも初回生産のみで追加生産は基本的には行いません。ごくまれに、ロングヒットを続ける商品もありますが、そのような商品はペットショップの店頭の中でも目立たない場所に陳列されていることが多くみられます。
日本のペットブームの最盛期と呼ばれたころは、今よりも商品アイテム数が5倍以上あったと言われています。それらの商品が年に2回、一斉に入れ替わるのですから、店頭はいつもリニューアル感があり活気にあふれ、商品の売れ行きも好調でした。
でも、徐々にペットブームが終わりを見せ、店頭の商品数が減少したことで、店頭の新鮮さを保つためには、ドッグフードも重要な立場になったのです。新しく発売されたドッグフードは、店頭の目立つ場所に陳列されます。大々的な宣伝も行われ、スタッフも推奨するでしょう。そうすることで、必然的に売り上げも伸びていきます。ロングセラーとなり、固定客のついているドッグフードは、目立たない場所に陳列をしたとしても、一定数は売れていきますので、さほど注力されない存在になってしまいます。
ドッグフードを切り替えるサイクルから考えると、一度、新製品を手に取ってしまうと、その後半年、一年は継続的に同じドッグフードを利用する傾向にあるので、なかなか元のドッグフードには戻ってきません。こうなると、限られた顧客の争奪戦が始まります。店頭でいかに目立つ場所に自社のドッグフードを陳列してもらうか、いかに飼い主の目を引くパッケージデザインにするのかを戦略的に考えます。
1つのメーカーから何種類ものドッグフードの新製品が発売されることで、棚一面を同一メーカーが占領することも可能です。ドッグフードが常にリニューアルを続け、新製品が次々と発売されるのは、単に商品売り上げを向上させようという業界のしかけによるものなのです。
例えば、ペット先進国と呼ばれるアメリカやドイツではドッグフードといえばわずかな種類のものしかありません。それは、過剰なまでにペットの健康に配慮することもなく、ペットの食をビジネスという観点から追いかけることもなくドッグフード市場が安定しているからでしょう。
大切な家族である愛犬の健康を第一に考えるなら、ドッグフードに関する正しい知識をもち、店頭の商品陳列に惑わされることなく商品を選びましょう。
愛犬にとってのドッグフードは私たち人間にとっての白米と同じ存在、またはそれ以上です。私たちは、離乳食から介護食まで同様に白米を食べています。年を重ねたからといって、白米以外のものを主食とすることも基本的にはないでしょう。ただ、年齢と共に、食べ方、調理の仕方は工夫しています。
犬も同様に、ドッグフード自体を変えるのではなく、食べる量や食べ方を工夫してあげることが重要なのです。そして、その主食のドッグフードが良質なものであるか、私たち飼い主がしっかり見極めて選んであげましょう。
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