PERORIが考えるドッグフードとドッグライフ
食べ物といえば消費期限、賞味期限が気になるところですが、ドッグフードにも同様の期限はあるのでしょうか? 同じように見えるドライフードでも、あるメーカーのドッグフードは数カ月…、あるメーカーは3年…と消費期限を設定しています。
ドッグフードは、製造の過程で水分を抜き、乾燥状態にしています。パッケージに記載された水分量という表記を確認してみると、10%以下と記載されていることでしょう。水分量が10%以下の場合、食品であってもカビが発生できない状態にあります。ですから、未開封で高温多湿でない、一般的な家庭の中で保管されている状態であれば、カビは活性せず、密封されていれば虫が入ることもありませんので、何年でも保管が可能だとされています。
ですが、このような説明をたとえドッグフードといえども、不快に感じる飼い主も少なくはありません。ですから、「ちょうどいい頃合い」という意味で、1年~1年半と表記しているドッグフードが多いのです。
また、メーカーによっては「消費期限」を設定せずに「賞味期限」として設定しています。カビが発生せず、虫がわかないので食べることが出来なくなることはありませんが、ドッグフードの鮮度が落ち風味も落ちてしまいます。そのため、いつまででも食べることはできるけど、この期間内に美味しく食べて下さい…というような思いが込められているのでしょう。
消費期限の無いとされるドッグフードですが、実は賞味期限は驚くほど短いものです。ほとんどのドッグフードは製造の段階で高温加熱や殺菌を行いますので、素材本来の風味はすべて消え去ってしまっています。ですが、それでは、犬の食欲もわかず、喜ぶ姿を見ることができないのです。ですから製造工程の一番最後に風味づけのためにオイルコーティング加工を施します。この加工により、ドッグフードを開封した時の独特の風味が出るのです。多くのドッグフードは人工的に風味を添加しているのです。
人工的に風味を添加したドッグフードも素材本来の風味が残ったドッグフードも、いずれもパッケージを開封し、空気に多く触れている状態だと風味がすぐに落ちてしまいます。愛犬のために少しでも風味を残してあげるためには、パッケージを開封してすぐに、ドッグフードを1食分ずつ袋に小分けにしておくのが一番です。こうすることで、空気に触れる頻度が格段と落ち、風味を保つことが可能となります。
密閉式のフード保存容器を活用している方も多く見られますが、1か月分を容器に移し入れている場合、1日2回、1か月間密閉の蓋を開けているのですから、それだけの回数、空気に触れ風味が飛んでいると考えておきましょう。保存容器を活用している場合も1カ月分ずつではなく、1週間~2週間程度分を保存容器に移すようにすると良いでしょう。
食にこだわりのある愛犬の場合は、特に1回分ずつの小分けを試してみてください。ドッグフードに飽きているから、好き嫌いがあるからとドッグフードを切り替えてしまう前に、ドッグフード本来の風味を味わうことで、食が安定する場合もあります。ドッグフードを変えるとはじめはよく食べるのに後半はあまり食べなくなる…それはドッグフードに飽きたからではなく、ドッグフードの風味がなくなってしまっているからかも知れません。